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03年6月「弱い」
03年5月「オフ」
03年4月「動く」
03年3月「学校」
03年2月「ゼリー」

03年1月「許す」
02年12月「波」
02年11月「齧る」

02年10月「乱」
02年9月「米(こめ)」
02年8月「カード」
02年7月「拾う」

02年6月「写真」
02年5月「休む」

02年4月「痛い」
02年3月「春」
02年2月「のんびり」
02年1月「重ねる・重なる」
01年12月「畑」
01年11月「包む」   
01年10月「指
01年9月「ヒント
01年8月「膨らむ」
01年7月「キープ」
01年6月「眩しい」
01年5月「縛る」
31年4月「ぎくしゃく」
31年3月「しつこい」
31年2月「話」
31年1月「粘る」
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30年7月「試合」
30年6月「響」
30年5月「五分五分」
30年4月「夢」
30年3月「荒れる」
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前月入選句発表 お題「透明」応募 298 150人





































 


真島久美子 選(入選39
句)          
印は両方の選者から入選した句 
 
    いけずしはったとうめいなふりをして 永見心咲
    透明を信じ込んではいけません 上田ひとみ
    透明になれるサプリは非売品 だんでらいおん
    秋空が透明な声連れてくる 陽香
   *どこからか母の声する水鏡 小谷 小雪
    透き通る肌をめざしている金魚 田岡修二
    精霊流し終えると風が透き通る よしひさ
    透明な目に詫びてから焼く秋刀魚 西岡ゆかり
    封印の恋に被せたグラシン紙 佐佐木雀区
   *売れないと思うよ透明のマスク 丸山 進
    川底が見える村での蛍狩り 東川和子
    透明とは天窓を抜けてくる夏 都いとり
    隠れてもだめだよ傍に居るあなた 上田ひとみ
    君との記憶透けるまでもみ洗い 石森あやみ
   *透明に成り切れないでいるお化け 野平光太郎
    透明な海と知らない深海魚 ムギ
    透明になる裸にはなれなくて 都いとり
    透明で無音セリフが落ちている 加藤 当白
    透明な虹を毎日見ています 尾崎良仁
    透明よりちょっと都合のいい濁り 柳谷益弘
   *透明になってしまった探し物 坂本加代
    拘らぬ末期の水の透明度 奈良朱雀
    濁るまい夕焼け雲になるまでは 佐藤ちなみ
    コロナ禍の五輪透明人間の群れ 虹色くじら
    隠しごとゼロ面白くない男 こみち
    透明になっていくこと老いること 斉尾くにこ
    透明な袋に堂々のピンク 東川和子
    透明な修正液が売れ残る 森下博史
    ピュアですね透明石鹸なのですね 永見心咲
   *透明になれそう息を止めてみる まみどり
    透明になった時だけ卵生む 冬子
    起床して飲む一杯の透明度 城崎れい
   *透明な沼がターシャの森にある 斉尾くにこ
    透明な補助輪でした父でした 福島亮也
    ロッカーを締め夕焼けへ走り出す 城崎れい
    透明になってやりたいことはない 稲垣康江
秀3*天窓のガラスよ空になりたいか 柴田比呂志
秀2*原稿を仕上げた夜が透き通る 宮尾柳泉
秀1*手に掬うまでは確かに青だった 平井美智子

評      欲しいものを手に入れた瞬間がリアルに詠まれている。何度掬い直してみても、欲し
      かった 青の欠片すら見当た らない。人間は目に見えるものを欲しがる哀しい生き物だ。
      ワクチンはまだ一本で半透明              真島久美子

 

 









































 

吉崎柳歩 選(入選39句)

 

    知り合った頃は透明だった妻 宮本 信吉
    変化する四季の空気が描けない 糀谷和郎
   *売れないと思うよ透明のマスク 丸山 進
    透明な箱で賄賂は贈れまい 青砥たかこ
    不純物沈んで水が透き通る 青砥たかこ
    安全のためにもガラス磨かない 橋倉久美子
    透明な狼煙を上げて君を待つ 光畑勝弘
    透明に無音に届く放射能 青砥和子
   *透明な沼がターシャの森にある 斉尾くにこ
    わさび田の優しく澄んだ水の音 宮井いずみ
    葛餅の透明感に溶けて行く 上平 祥
   *どこからか母の声する水鏡 小谷 小雪
    愛しても手には取れない水中花 星野睦悟朗
    透明な海戻らない辺野古崎 竹中正幸
    忖度をするたび濁る透明度 大木雅彦
    久しぶりの逢瀬アクリル板は邪魔 浩子
    透明な壁いちまいのディスタンス 澁谷さくら
    透明な瞳にウソを見抜かれる 福多郎
   *透明に成り切れないでいるお化け 野平光太郎
    夏風邪を招いた透明なパジャマ 安藤なみ
    見つめられ何か言いたい水中花 田岡修二
    沈黙で透明になるソーダ水 汐海 岬
   *天窓のガラスよ空になりたいか 柴田比呂志
   *原稿を仕上げた夜が透き通る 宮尾柳泉
    日傘にはなれぬビニール傘の鬱 岡本恵
    透明になりたい時がある授業 西岡ゆかり
    名水をグラスに満たす休肝日 颯爽
   *手に掬うまでは確かに青だった 平井美智子
   *透明になれそう息を止めてみる まみどり
    プライバシーなど考慮せぬ金魚鉢 新家完司
    無色透明悲しみ抱いた汚染水 圦山 繁
    透明の雨ばかりではない地球 吉一
    月に近づき透明になるかぐや姫 吉一
    透明になれたらやめるダイエット 澁谷さくら
    透明でも水質検査されている 徳重美恵子
   *透明になってしまった探し物 坂本加代
秀3  透明な瓶だと安く見える酒 西山竹里
秀2  透明でないと美味しく飲めぬ水 西山竹里
秀1  透明にできぬか高い防波堤 北田のりこ

評      かつて白砂青松と称えられた日本の海岸線。工業化に加え大津波に備えるために作
   られた防波堤によって目隠しまでされてしまった。透明化できたらどんなに良いことか。   

      透明になるまで磨く猜疑心                 吉崎柳歩