目次02年2月号
巻頭言 「カワセミ」
すずか路
・小休止
・川柳つれづれ
・人と句「ポケットの水たまり」
・例会
・例会風景
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・ポストイン
・エッセイ・その他
・大会案内
・編集後記

 


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巻頭言

「カワセミ」

 カワセミという美しい小鳥を初めて見たのは、県営公園「青少年の森」を妻とウォーキングしていた時だった。

 二十年ぐらい前までは、森の外周をひたすらジョギングしていたので、カメラの砲列にも気がつかなかったのだ。川柳に没頭するようになってからは、ランニングや山登りの熱も冷めてきて、朝のストレッチや筋トレ以外には、妻とのんびり歩くのが日課になっていった。
 初冬になってくると、森の中の道伯池には、ユリカモメやオオバンが渡ってきて賑やかになる。親子連れが餌を投げてやるので、ユリカモメも人を怖がらない。陸上に上がって集団でひと休みしているが、人が近づいてもなかなか 道を空けない。

 池の南に広場があり、その南端まで小川が流れている。少し広がって池のようになっているところがあり、その真ん中に大きな岩がある。その岩の天辺がカワセミのお気に入りの場所である。西側に建っている四阿には、いつも何人かのカメラマンが待機している。カワセミが飛来したら一斉に砲列を構えるので、ウォーキングをしていてもすぐ分かる。近づくと「あそこにいる、あの木の陰に停まっている」と誰かが教えてくれる。鮮やかな水色の背と黄色い胸、長い嘴が特徴的である。ヒスイとか飛ぶ宝石などと呼ばれるそうである。

 「青少年の森」から二、三キロ南に、春には両岸に桜が咲く小川がある。やはり、ときどき散歩するコースである。昨年の今頃、そこを歩いていたらカワセミに出くわした。静かに眺めていたら、カワセミも気を利かせてしばらく佇んでいてくれた。カメラマンではないので、スマホで撮影したが、スマホの機能さえ活用できない悲しさ、小さく写っただけのことである。
 今朝(三日)、やはりそのコースでウォーキングをしていて小橋のあるその場所にさしかかり、私が「去年そこにカワセミがいたよなあ」と話しかけたら、正にそこでカワセミが飛んでいたのである。妻には分からなかったので、舞い降りたらしい対岸の茂みの上に回ったら美しい羽根が見えた。「そこだそこだ!」と叫んだらすぐに飛び立ち、そのまま見失ってしまった。
                                           柳歩
 

 
すずか路より
ぼけた眼でも他人の誤字はよく見える 坂倉広美
心電図だけは立派とほめられる 勝田五百子
確定申告脳トレにちょうどよい 竹島 晃
口紅を塗るより難しいぬり絵 橋倉久美子
場馴れした講師余裕で水を飲む 北田のりこ
セルフレジ慣れたら次はキャッシュレス 中川知子
四季うたう一番街の並木道 河合恵美子
昭和では数えきれなくなった年 落合文彦
雄々しいと女々しいとかはみな男 毎熊伊佐男
笑いつつ語る病の起承転 村井一朗
無駄口はきかず慌てず風を待つ 奥田悦生
義理の兄なのに遺影に出る涙 寺前みつる
弟の演歌聴きたい三回忌 鈴木裕子
神様が舞い込みそうな初笑い 竹口みか子
年賀状毎年数が減るばかり 瓜生晴男
追い抜く時一寸ためらう散歩道 加藤吉一
残りものやっと平らげ普段食 安田聡子
還暦はなんと若いと思う古稀 芦田敬子
凧揚げも羽根つきもないお正月 圦山 繁
悪い輩いると思えぬ初詣で 西川幸子
地球にも腹の底にもあるマグマ 小川はつこ
柏手の大きさ競う初詣 長谷川健一
スギ花粉大気汚染と腕を組む 小出順子
祈るたびだんだん強くなる心 川喜多正道
後悔はしないが愚痴は言ってみる 柴田比呂志
細やかな望みあなたが側にいる 竹内そのみ
煌煌と侘びしお客のいない店 樋口りゑ
いざという時は頼りの男の背 眞島ともえ
急ぐのに足が素直に動かない 小林祥司
長生きの努力はせぬが生きている 藤村洋子
賽銭もついでに覗く初詣 福村まこと
日捲りの裏に潜んだ明日の運 佐藤千四
順調に消えてゆくのは記憶力 西野恵子
ふるさとは北アルプスが見える町 瀬田明子
よく噛んで食べねばならぬ雑煮餅 西山竹里
孫たちの食べぬ数の子老いが食う 日野 愿
理由などいらない旨いから旨い 岡ア美代子
外見は老いても若い服が好き 玉木りょうこ
インフルに気を揉んでいる冬ブーケ 神野優子
生きていますか飲んでますかと来る賀状 前田須美代
警官の仕事を作るおじいさん 佐藤近義
特売日レジの行列半時間 坂 茜雲
足腰の老化に挑む初歩き 大川里子
ありがたやゆず湯ゆず酒風邪しらず 岩谷佳菜子
天災に備え古井戸そのままに 西垣こゆき
強面も杖の私に道ゆずる 松岡ふみお
呵々呵々と笑うしかない好々爺 吉崎柳歩
ベレー帽はピンク可愛くないけれど 青砥たかこ
 

整理・柳歩

1月25日(土)例会より

宿題「焦る」 青砥たかこ 選と評
   待たれてる駐車何度も切り返す 満月庵
   針に糸焦らなくても通せない 小出順子
 止  焦ったらアクセルを踏むお年寄り 吉崎柳歩
 軸  小兵でも焦らず攻めて勝ちを取る 青砥たかこ
宿題 共選「カメラ」 小川はつこ 選
   誰も要らない父愛用の古カメラ 西垣こゆき
   黒白をつけに胃カメラ突き進む 芦田敬子
 止  路地裏の風情を知っているカメラ 芦田敬子
 軸  カメラが悪くて美人に写らない 小川はつこ
宿題 共選「カメラ」 坂倉広美 選
   一斉にスマホとり出す良い景色 中村あけみ
   高画質カメラに耐える澄んだ肌 中川知子
 止  カメラ向けられ蕾をちょっとほどく花 北田のりこ
 軸  老人がアートに写るカメラ買う 坂倉広美
宿題「自由吟」 吉崎柳歩 選
   その頃のトイレも覗く考古学 福村まこと
   気にかかる散歩途中のたこやき屋 水谷周子
 止  困ってるだろうな切符落ちている 小出順子
   川柳三昧田辺聖子に恩がある 吉崎柳歩
席題「頬杖をつく穴」(自由美術)印象吟 清記互選 高点句
15点  遠回りしながら目指す突破口 樋口りゑ
11点  拡大鏡が助けてくれる糸通し 小川はつこ
 8点  針持ってとれたボタンを追いかける 橋倉久美子
 6点  トンネルの出口がやっと見えてきた 吉崎柳歩
 5点  アリバイを追っかけている月明かり 芦田敬子
   真っ暗な闇から出している答 竹口みか子
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『 言葉 』  応募106句
  17点  方言を混ぜて言葉を丸くする 圦山 繁
  11点   お言葉でございますがと牙を剥く 日野 愿
  10点    つぶやいた言葉がひとり歩きする 澁谷さくら
   8点   美味しいと言えば返ってくる笑顔 中村あけみ
      日本語で考えるしかない私 吉崎柳歩
    政治家の言葉はたぶんシャボン玉 橋倉久美子
     子を伸ばすサプリメントは褒め言葉 濱山哲也
   7点  広辞苑に載り市民権得た新語 北田のりこ