目次02年6月号
巻頭言 「搾り滓」
すずか路
・小休止
・川柳つれづれ
・人と句「さくらいろ」を読んで
・例会
・例会風景
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・ポストイン
・お便り拝受・あしあと
・大会案内など
・編集後記

 


たかこ
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巻頭言

「搾り滓」

 「絞る・搾る」から、まず一番に何が浮かぶか、「体」「油」「タオル」「汗」「声」「レンズ」「レモン」アンケートを取ったら面白いだろう。
 私は「知恵を絞る」がまず浮かんだ。知恵には泉があって湧いてくるらしいから、絞るより「汲む」の方が合いそうだが。
「絞る・搾る」
 辞書をひもとくと、「締め付けたり押し付けたりして中の水分を出すが一番にある。次に、物を圧搾して液をとる。まぶたを強く閉じて涙を払う、と続く。
 絞る、あるいは搾るには無理に出すようにするという意味が強い。声を絞り出す。能力をありったけ出すなど。

 これまで、二十年近く、無い知恵を絞り、寝る時間も惜しんで、大げさだが文字通り時間を搾って生きてきたように思う。
 今年に入ってからの、世界中を恐怖のどん底に落としたコロナウイルス禍は、多くの人の自由を奪い、命も奪っている。
 そんな中で、ふと私は気づいてしまった。絞って搾って作っていた時間が、ふんわりと私を包むように漂っているではないかと。
 自粛生活を余儀なくされてはいるが、絶対に出てはいけないのではない。各地の大会などが軒並み中止、あるいは延期になった。例会も、会場が使えず、すべて欠席投句での変則句会でしのぎを削った。

変則句会ながら、柳誌は同じように作る。だけど、何かしら気持ちが軽くなったような気がする。長い間体を支配していた「大会に行かねばならない」「例会を開かなくてはならない」の「ならない」が、したくても出来なくなって、体にしがみついていた搾り滓が、ぼろぼろ垢のように剥がれ落ちだしたようなのだ。

 もちろんウイルスへの憎悪はみんなと同じだ。一日も早い完全終息を願ってもいる。
 社会のために何もできないが、せめてもの自分が感染源にならないよう、心がけたい、そのためにも少しずつ潤いが戻るよう、ゆったりと過ごし、また忙しい日常に戻れる日を待ちたいと思っている。

                                          たかこ

 
すずか路より
花の声静かに聞いて活ける花 圦山 繁
三日分買い物菓子も三日分 西川幸子
「眠れないの」と母から電話くる夜ふけ 小川はつこ
酸欠になりそうマスクして散歩 水谷ちか子
待ちましたようやく出番ランドセル 千野 力
無い袖を振れとオレオレ詐欺が言う 小出順子
縦書きで横文字書きにくい柳誌 川喜多正道
想い出を時々微塵切りにする 柴田比呂志
川柳のお母様hと花届く 竹内そのみ
令和二年訃報が続く家籠もり 眞島ともえ
今日もまた夫婦の会話だけで暮れ 小林祥司
在宅でも息は抜けないオンライン 藤村洋子
熱中症コロナも怖い夏マスク 小野教彦
手洗いを遊牧民も習いだす 福村まこと
神様に祈るメニューが一つ増え 佐藤千四
彼の世でもお昼食べたか夫婦箸 西野恵子
美容師ととれぬソーシャルディスタンス 瀬田明子
ジジバナは休校中の命綱 満月庵
痛い腹探られている安倍総理 西山竹里
会いたいが自粛のときと言い聞かす 日野 愿
悪女にも天使にもなる彼の前 玉木りょうこ
ステイホームネットに強くなりました 神野優子
ラストオーダーお久し振りの居酒屋で 前田須美代
年齢に淘汰をされて減った趣味 佐藤近義
黒揚羽スダチの白い花に舞う 坂 茜雲
さてとさあかけ声だけの老い二人 大川里子
おしゃべりが出来なくなった美容室 岩谷佳菜子
マスクして素っぴん暮らし慣れました 西垣こゆき
東京へ送るコロナを生きる糧 坂倉広美
外出自粛床磨きにももう飽きた 勝田五百子
禁足でたちまち溜まるアルミ缶 竹島 晃
聞き慣れぬがちゃんと自分とわかる声 橋倉久美子
飾りすぎみんな白けている祝辞 北田のりこ
三密より密でも保育園はある 中川知子
収束から終息までの長い坂 河合恵美子
大福で終わってしまう誕生日 落合文彦
最後までゼロで居てくれ岩手県 毎熊伊佐男
葬儀場決めて終活一里塚 村井一朗
ウイルスを避けて野菜と深呼吸 奥田悦生
断捨離は今がチャンスと思うだけ 鈴木裕子
五月連休コロナ疲れとストレスと 竹口みか子
この店もコロナで臨時休業に 瓜生晴男
目に見えぬ怖さ時空が萎縮する 加藤吉一
どちらかがひとりぼっちになるんだネ 安田聡子
皺の数かぞえるために見る鏡 芦田敬子
三密に座の文芸が嵌りすぎ 吉崎柳歩
日当たりが悪いと花も咲きしぶる 青砥たかこ
 

整理・柳歩

5月23日(土)例会(全員欠席投句)より

宿題「いつも」 橋倉久美子 選と評
   いつもより健脚にする野辺の花 小川はつこ
   気に入れば穴が開くまで同じシャツ 小林祥司
 止  三度目でいつものミスと見倣される 福村まこと
 軸  待たされる時間も見込み待ち合わせ 橋倉久美子
宿題 共選「ひるむ」 加藤吉一 選
   一瞬ひるむ店員さんの付けまつげ 玉木りょうこ
   詰め放題ひるまず主婦の意地を見せ 鈴木裕子
 止  ひるまない人が集まるパチンコ屋 橋倉久美子
 軸  舌鋒にひるむ大臣メモを待つ 加藤吉一
宿題 共選「ひるむ」 吉崎柳歩 選
   ひるまない人が集まるパチンコ屋 橋倉久美子
   マウスツーマウスにひるむときもある 日野 愿
 止  一瞬ひるむ店員さんの付けまつげ 玉木りょうこ
 軸  安倍さんをひるませたのはハッシュタグ 吉崎柳歩
宿題「自由吟」 青砥たかこ 選
   家の中片付けてからオンライン 岩谷佳菜子
   牛乳を飲み正露丸飲んでいる 竹口みか子
 止  花屋には花が溢れて淋しそう 竹内そのみ
   また今日も無事に済んだと床につく 青砥たかこ
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『 ウイルス 』  応募102句
  21点  ウイルスに無縁ポツンと一軒家 岩田眞知子
  15点   ウイルスには勝てない銃も札束も 吉崎柳歩
  11点     パソコンもヒトもウイルスには弱い 橋倉久美子
      ウイルスに体重5キロ増やされる 勝田五百子
   9点   ウイルスにもてあそばれているヒト科 川喜多正道
     ウイルスに人間力を試される 神野優子
    ウイルスが嫌う潔癖性の人 西山竹里
   8点  ウイルスにマスク美人の出番来る 白井 昭
    ウイルスがでかい地球をハイジャック 小林祥司