目次02年11月号
巻頭言 「なぜ「は」を…」
すずか路
・小休止
・川柳つれづれ
・人と句「雪炎え」を読んで
・例会
・例会風景
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・ポストイン
・お便り拝受・あしあと
・大会案内など
・編集後記

 


久美子
久美子・柳歩整理
広美・須美代
柳歩
たかこ

たかこ
柳歩
久美子
佐道 正さん
柳歩

たかこ








 
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巻頭言

なぜ「は」をつける

 ここ数日、テレビの街頭インタビューを見て気になっていることがある。なぜそこに「は」をつけるかなあ?ということである。

 以下、記憶で書くので事実と多少違うことはお許し願いたいのだが、たとえば、ある飲食店がワンコイン弁当を売り出したというニュースの中でのこと。弁当を買いにきた女性がインタビューを受け、「おいしくてボリュームもあるし、いいと思います」と答えていたのだが、この「は」にはどんな意味があるのだろう。値段、味、量ともに満足している表情なのに、まだ注文があるのだろうか。
 また別の日、豊島竜王と羽生九段の竜王戦第二局(豊島一勝で迎えた)について、羽生ファンだという男性がインタビューにこう答えていた。「羽生さんにがんばってほしいと思います」。普通に考えれば、この後は、「多分勝てないだろうけど」と続くのではないか? あんた、羽生さんのファンなんだろう!
 おそらくこの「は」は、最近はやっている「ご注文の方は以上でよろしかっですか」と同じ、言葉を増やすことで丁寧にしたつもり、婉曲に表現したつもりの言い方なのだろう(「ご注文は以上でよろしいですか」で、失礼にはならないはず)。本人は無意識に言っているだけなのだと思う。
 強いて忖度するならば、前者の女性には「私このお弁当がいいけど、万人に好まれるかまではわかりません」という謙虚な気持ちが、また後者の男性には「僕羽生ファンで羽生さんに勝ってほしいので、地元の方を応援しなくてすみません」(名古屋の放送局制作のニュース番組だった。ちなみに豊島竜王は一宮市出身)という申し訳なさがあり、それが言葉に表れたのかもしれない。しかしそれならそれで、「は」を付ける位置が間違っている。

 たかが「は」一音、されど「は」一音である。一音の助詞に気持ちが表れることもあれば、一音の助詞で一句が変わることだってあるのだから。

                                                                               久美子

 
すずか路より
今日明日に産まれるかもと荷を詰める 神野優子
好きだなあきれいにお辞儀される方 前田須美代
挨拶もろくに出来ないマスク面 坂 茜雲
探し物出発点に鎮座する 大川里子
秋晴れの運動会もオンライン 岩谷佳菜子
コロナ禍で延期八十路のクラス会 西垣こゆき
満室と紅葉の宿に断られ 松岡ふみお
絵の中の女がひょっと手を振った 坂倉広美
松茸の香だけするかやく飯 勝田五百子
白子駅旧街道の西出口 竹島 晃
目覚ましを鳴らさなくてもよい暮らし 橋倉久美子
乗らぬまま消える格安航空機 北田のりこ
来ないでから是非来てになる観光地 中川知子
麻酔薬たっぷり注ぎ手術台 河合恵美子
イノシシが見つける前に栗拾い 落合文彦
かかりつけの待合室にあるピアノ 竹尾佳代子
警察がなんで認否を明かさない 毎熊伊佐男
ばあちゃんちの布団ばあちゃんちの匂い (いただき)けいこ
「いち抜けた」まだ古希なのに友が逝く 村井一朗
妻が元気でいてくれわたくしも元気 寺前みつる
月を見て秋になってもホタル族 奥田悦生
しばし佇む金木犀の咲いた庭 鈴木裕子
マスクの下は笑顔かどうかわからない 竹口みか子
寄り添ってやっと八十路を越えました 瓜生晴男
避けるのは相手と決めて来る車 加藤吉一
ご先祖も許してくれる墓じまい 芦田敬子
メートル法拒み続ける炊飯器 圦山 繁
アパートが遠景隠す位置に建つ 西川幸子
呼ばれても返事できないかくれんぼ 小川はつこ
ALS聞くと亡き姉思い出す 水谷ちか子
ラストラン私は未だロスタイム 長谷川健一
石橋は叩かぬ落ちて考える 小出順子
体育の日が見当たらぬカレンダー 柴田比呂志
押し入れの奧に昭和が眠ってる 竹内そのみ
痛いから予防接種はしない主義 眞島ともえ
卒寿へとテレビ体操欠かせない 小林祥司
バスで化粧しなくてもいいテレワーク 藤村洋子
三世のミドルネームに日本名 福村まこと
母親の口調で妻に叱られる 佐藤千四
顔色を気にする内は円満だ 西野恵子
無事帰宅マスク外して出る疲れ 瀬田明子
人混みに入るとおこる不整脈 満月庵
学問の首にも縄をつけたがる 西山竹里
入院に首相交替後で知る 日野 愿
片付けは任せておけと飲んでいる 岡ア美代子
あたらしい朝に毎日ありがとう 澁谷さくら
コンビニでコーヒーを飲む雨宿り 玉木りょうこ
学者には劣等感のある総理 吉崎柳歩
パトカーのおまわりさんも皆マスク 青砥たかこ
 

整理・柳歩

10月24日(土)例会(出席11名欠席投句29名)より

宿題「ダブル」 青砥たかこ 選と評
   ダブルキーを付けて安堵の旅に出る 鈴木裕子
   協調性なくてダブルスには不向き 小川はつこ
 止  誤字脱字ダブルチェックをすり抜ける 圦山 繁
 軸  病室にダブルベッドは置かれない 青砥たかこ
宿題 共選「ひねる」 鈴木裕子 選
   製氷皿をひねると氷踊り出す 芦田敬子
   ひねられたまま盆栽が耐えている 橋倉久美子
 止  独楽ひねる大きな父の手が浮かぶ 竹内そのみ
 軸  ひねってある問いもすらすら秀才児 鈴木裕子
宿題 共選「ひねる」 加藤吉一 選
   ひねられた独楽はノルマのように舞う 竹内そのみ
   ひねり方知らぬ子どももいる蛇口 西山竹里
 止 ひねられたまま盆栽が耐えている  橋倉久美子
 軸  視聴者の頭ひねりに来るクイズ 加藤吉一
宿題「自由吟」 吉崎柳歩 選
   ふさふさでなくても使うドライヤー 小川はつこ
   すき間なく切手貼ってもよい封書 青砥たかこ
 止  握手した手の温もりを忘れそう 芦田敬子
   昆虫食ゴキブリだけは願い下げ 吉崎柳歩
席題「雲」 高点句
 5点 雲海に達成感を得た登山 川喜多正道
  浮き雲のようなあなたにひまを出す 青砥たかこ
  コロナ禍で飛行機雲も暇になる 芦田敬子
 4点 むくむくと入道雲の好奇心 小川はつこ
 3点 雲もつきぬけて花火は咲くつもり 橋倉久美子
  寝転んで雲と禅問答をする 吉崎柳歩
  戦争もコロナも関知しない雲 吉崎柳歩
  雲間見て出し入れせわし主婦仕事 鈴木裕子
  雲ゆきが怪しくなってきた会議 鈴木裕子
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『 きっと 』  応募108句
  12点  ハチ公はきっとを信じ待っていた 小出順子
     調べたらきっと病気の出る体 橋倉久美子
  11点      足音が跳ねてるきっといい知らせ 勝田五百子
   出来すぎた話にきっと裏がある 河合恵美子
  10点    金を出すからにはきっと口も出す 西山竹里
       くすぐればきっと本音を吐くだろう よしひさ
   9点  きっととは言えない予報士の予報 吉崎柳歩
   8点   きっとあるはずの出番がまだ来ない 毎熊伊佐男
   7点  候補者のきっとは誰も信じない 吉崎柳歩
    コロナ禍で儲ける人がきっといる 西野恵子