目次03年5月号
巻頭言 「入選」
すずか路
・小休止
・川柳つれづれ
・人と句「あの日から〜」
・例会
・例会風景
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・ポストイン
・お便り拝受・あしあと
・大会案内など
・編集後記

 


久美子
久美子・柳歩整理
伊佐男・佳菜子
柳歩
たかこ

たかこ
柳歩
久美子
月波与生さん 
柳歩

たかこ








 
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巻頭言

「入選」

 川柳の句会や大会に出るようになったころ、違和感を持ったのが「入選」という言葉だった。学校で行う作文や習字のコンクールでは、優秀な作品を「入選」(その上に「特選」がある場合もある)、それに次ぐ作品を「佳作」としていた。入選は逃したがそれに次ぐ作品が「選外佳作」というわけである。ところが川柳では、披講される全てが「入選」で、そのうち良い作品を「佳作」と言うらしい(実際には「佳作」より「佳句」という言葉がよく使われるが)。つまり、「入選」と「佳作」の扱いが逆なのだ。意味合いはよくわかったが、しばらくは慣れなかった。

 こんなことを思い出したのは、先日、川柳やまびこのオンライン句会に参加したからである。入選句の披講について、「秀1から10、客1から5、人、地、天」の順とすること、秀や客の句の番号については、大きい数字から始めるところもあるが、やまびこではこうしているのでと、あらかじめ説明があった。私としては、大きい数字から小さい数字へ進む方が気持ちに合うのだが、それ以上に「あれ?」と思ったのは、「秀」と「客」の順番だった。

 三重県では、入選句全体のうち最も良い句(複数の場合もある)を「秀句」、それに次ぐ三句から五句を「佳句」と呼ぶことが多い。鈴鹿の大会では選者ごとに二句を「秀句」とし、表彰したり光太夫賞の選考対象にしたりしているし、みえ文化芸術祭川柳大会では、軸吟の前が秀句二句、その前が佳句三句だった。「客」と「佳句」を同義と考えると、「秀(秀句)」と「客(佳句)」の扱いが逆なのである。この辺りでは「天地人」という位付けをあまりしない(「みえDE川柳」では使っているが)ことと関係があるのかもしれない。

 もちろん、どれが正しいとか良いとかいうことではないし、全国で統一するべきことでもないと思う。ふだん慣れ親しんだやり方とずいぶん違うことに驚くとともに、川柳やまびこの丁寧な説明に好感を持ったことを書き記しておきたい。                                       

                                         久美子
 

 
すずか路より
子の未来語ると夢になっていく 小川はつこ
登校の子らといっしょにゴミ捨てに 水谷ちか子
新年度振り込み用紙多くなる 長谷川健一
接骨院行ってからする草むしり 小出順子
後始末しなくてもいいシャボン玉 藤村洋子
マイナーカードないと不便にさせられる 川喜多正道
献血を終え青空を吸っている 柴田比呂志
その訳は口が裂けても言えません 竹内そのみ
駅マナー守って席取りに負ける 眞島ともえ
チューリップだけなら僕も描けるかも 小林祥司
くしゃみにも母国語の韻含ませる 福村まこと
観に行けと言ってはいない花だより 佐藤千四
ワクチンは要らぬここまで得た命 西野恵子
外界に老いのリズムが追いつけぬ 瀬田明子
すれちがうデイの車に身を重ね 満月庵
感染者未だに「0」の過疎の村 寺井一也
家族には相手にされぬ私の句 西山竹里
運針のみだれこころを映しだす 澁谷さくら
コンビニのケーキ夫のサプライズ 玉木りょうこ
床の間の藤も居場所を得て冴える 磯浜基十
葉桜に塗り替えられた初夏の道 神野優子
さくら咲く花見弁当家で喰う 坂 茜雲
窓開けて春うららかを招き入れ 大川里子
若者の余裕がコロナはびこらす 岩谷佳菜子
満月は半熟卵明日は雨 西垣こゆき
割引きの弁当食べて日が暮れる 松岡ふみお
神風を用意してますアマテラス 坂倉広美
市内ならどこでも行けるワンコイン 勝田五百子
線香に揺られて楽に逝けるらし 竹島 晃
言い訳をぐっとこらえるのも修業 橋倉久美子
聖火リレー五輪気分を煽るのか 北田のりこ
コロナのせいで仕方ないよが口癖に 中川知子
衣替え春を着た日に舞う小雪 河合恵美子
ストーブを仕舞った読みが甘かった 落合文彦
緊急事態宣言あとの棒グラフ 竹尾佳代子
嬉しいのと哀しいのとがあるゴール 毎熊伊佐男
桜散る元気なふりはまだできる (いただき)けいこ
数学のことはわからぬ広辞苑 河内秀斗
コロナ禍の花見やめてと雨が降る 村井一朗
口惜しさがダンピングする次の朝 西岡ゆかり
描いてみる絵本の先の物語 奥田悦生
ゆっくりと読みたい記事はあと廻し 鈴木裕子
曇天が寒気運んで頭痛する 瓜生晴男
退化する脳へワクチン欲しくなる 加藤吉一
黒白グレーさあどのマスク着けようか 芦田敬子
玄関もトイレも同じフリージア 圦山 繁
教室で習い家ではしないヨガ 西川幸子
予報士の予報通りの空模様 吉崎柳歩
コロナ禍の一年柳誌十二冊 青砥たかこ
 

整理・柳歩

3月27日(土) 出席14名 欠席投句29名より

宿題「揺れる」 青砥たかこ 選と評
   頻繁で微細な揺れに慣れてくる 澁谷さくら
   揺れたのは天地で僕は酔ってない 平尾定昭
 止  まだ揺れているのに挙手をさせられる 橋倉久美子
 軸  ふらふらと揺れてひとつに絞れない 青砥たかこ
宿題 共選「うっとり」 橋倉久美子 選
   エレキギターうっとりさせるつもりなし 河内秀斗
   ピザを焼くうっとり融けていくチーズ 北田のりこ
 うっとりと弔辞を聴いている佛 吉崎柳歩
 軸  お値段を聞いたら醒めた夢心地 橋倉久美子
宿題 共選「うっとり」 毎熊伊佐男 選
   うっとりと母は至福の痴呆症 中村あけみ
   求愛のアリアに聴き惚れるオペラ 澁谷さくら
 止  お値段を聞いたら醒めた夢心地 橋倉久美子
 軸  お名前と笑みと御御足女子ゴルフ 毎熊伊佐男
宿題「自由吟」 吉崎柳歩 選と評
   ハンドルを握っていても見る桜 戴 けいこ
   わたしの字と一目でわかる自分の字 西山竹里
 止  葉桜になるのを待っている毛虫 圦山 繁
   生き延びて麦飯石の湯に浸かる 吉崎柳歩
席題「干す」 高点句
 8点  干しブドウになんてされたくない巨峰  河内秀斗
 5点  物干しを見れば老夫婦と分かる 吉崎柳歩
   部屋干しにせざるを得ない花粉症 川喜多正道
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『鳴る・鳴らす』  応募114句
  20点  警鐘をすでに鳴らしている地球 戴 けいこ
  16点   お賽銭入れましたよと鳴らす鈴 西山竹里
  15点    シャッター音が謝罪会見もり上げる 芦田敬子
  11点  ホイッスル鳴るまであきらめぬ試合 青砥たかこ
  10点     うっかりと手の鳴る方へついていく 橋倉久美子
    7点   鳴るまでは歌っていれるのど自慢 小林祥司
     着信音あなたと分かる曲にする 青砥たかこ
    改札がリズム刻んでいた昭和 濱山哲也