目次03年9月号
巻頭言 「句の流れ」
すずか路
・小休止
・川柳つれづれ
・人と句「孤高の詩」を読んで
・例会
・例会風景
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・ポストイン
・お便り拝受・あしあと
・大会案内など
・編集後記

 


たかこ
久美子・柳歩整理
一朗・裕子
柳歩
たかこ

たかこ
柳歩
久美子
北山まみどりさん 
柳歩

たかこ








 
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巻頭言

「句の流れ」

 二回続けて「ポストイン」のことで申し訳ないが、「ポストイン」への句を選んでいると、如実に時代の流れが見える。今月の八月号は、多くの柳人が六月〜七月にかけて近詠を詠まれているようだが、コロナ禍の恐怖心が薄れて見える。それ以上に、政府への対応のまずさなどの句がめっきり減っている。

 このことは、印象吟句会「銀河」の主宰、島田駱舟氏が「銀河」八月号の巻末に書かれていて共感を覚えた。一部抜粋させていただく。

『現在の新型コロナ感染拡大は異常事態です。当然川柳作家はこれを作品にしています。雑詠は言うに及ばず、句会の題詠でも詠まれています。感染拡大防止のための外出自粛、飲食店への規制、マスク、消毒、ソーシャルディスタンスなど、様々な防止策への思いが詠まれています。また、コロナ禍終息を願うものもたくさんあります。私が不思議に思うのは、川柳結社誌の作品に政府への批判や、嘆きが少ないという現象です』

 確かに今月、政府への批判の句がほとんどなかった。何を言っても無駄だと気が付いたのか… 前回(三か月前)は、コロナの句をわざわざ除いて「食べ物にまつわる句」を選んだことを巻頭言に書いた。先月の今頃は、ワクチンに関する句に染まった。予約が出来ない苛立ちの句も目立った。その後、ほとんどの柳人が高齢者枠でワクチンを接種、あるいは予約が済んでホッとした類の句が多かった。おそらく来月は、オリンピックも終わり、予想通りか、あるいは意に反しての、コロナ一色に逆戻りしてしまっていることへの句が多くなるだろう。

 子どもたちにとって、一番思い出のできる「夏休み」が、二年も続いて自粛を強いられていることに心が痛む。水際に繋がれていたはずの小舟が、どんどん沖へ流されてゆくようで心もとない。今月もコロナに関係のない句をと思ったが、ため息をつきながらの作業になった。

                                          たかこ
 

 
すずか路より
ひまわりがひまわりらしく咲く真夏 澁谷さくら
いい人を演じた後の疲労感 玉木りょうこ
治らぬと分かっていても飲む薬 磯浜基十
孫日記つけて子育て思い出す 神野優子
街の灯が誘ってくれる日を待とう 前田須美代
退会をしてもまだ来る川柳誌 佐藤近義
感染ったら自宅隔離と菅が言う 坂 茜雲
湿り気味腹に入れねばおせんべい 大川里子
旬野菜美味しいけれど手間かかる 岩谷佳菜子
時々は背筋伸ばして見る鏡 西垣こゆき
手を焼いて育てた子らに手を焼かせ 松岡ふみお
「元気です」ハガキ一枚それっきり 坂倉広美
自家製で汗かきつくるかき氷 竹島 晃
キャンセルを無視して届く美容液 勝田五百子
料理上手にもらわれ幸せなカボチャ 橋倉久美子
土俵入り案じる照ノ富士の膝 北田のりこ
ダッチロールしても舵取る菅総理 中川知子
コロナ禍のおうち時間へ光熱費 河合恵美子
満月にいたずら好きの雲が出る 落合文彦
ボブディラン流れる店でティタイム 竹尾佳代子
三度目の接種現実味を帯びる 毎熊伊佐男
「お休み」は今日をリセットする呪文 戴けいこ
寝たきりになってしっかり生きている 河内秀斗
古希に来た検査嫌いの重い付け 村井一朗
いいニュースなくて天気の話する 西岡ゆかり
アナログの頭頑固に動かない 奥田悦生
インタビューを受ける選手の歯がきれい 鈴木裕子
キリギリス盛夏に負けず鳴き通す 瓜生晴男
ない袖は振れぬか自宅での待機 加藤吉一
洗車機の中を通ったような雨 芦田敬子
ウイルスと雨にねじ伏せられる日々 圦山 繁
健康診断健康な時受けておく 西川幸子
見て回るだけで落ち着く本屋さん 小川はつこ
骨折で夫の暮らし大変わり 水谷ちか子
大会の日の日野さんのあの笑顔 小出順子
想い出話時々変わるストーリー 藤村洋子
ぎんなんが落ち次の世の暮らし方 柴田比呂志
病む友の心に届け絵手紙よ 竹内そのみ
別荘を持つより安いホテル代 川喜多正道
来客のように風雨が戸を叩く 小林祥司
日本食たらふく食べた選手団 福村まこと
五輪には負けじと洋画時代劇 佐藤千四
近所づきあいを簡素化するコロナ 瀬田明子
あれこれの機能に迷い決められず 満月庵
負けてすぐ質問攻めはお気の毒 寺井一也
専門家の予測どおりになるコロナ 西山竹里
目覚ましの鳴るのを今朝も待っている 吉崎柳歩
めっきりと出番の減ったのし袋 青砥たかこ
 

整理・柳歩

8月28日(土) 全員欠席投句43名より

宿題「空間」 橋倉久美子 選と評
   入口だけ混み合っている冷蔵庫 中村あけみ 
   アンパンの中の空洞大きすぎ 北田のりこ
 止  狭くても空間の要る糸電話 加藤吉一
 軸  空間を歩けと誘うかずら橋 橋倉久美子
宿題 共選「叩く」 岩谷佳菜子 選
   下請けの手間賃叩く大企業 入山 繁
   叩いたら少し元気になるラジオ 西岡ゆかり
 控えめに玄関叩く午前様 福村まこと
 軸  祭り消え太鼓の音が聞こえない 岩谷佳菜子
宿題 共選「叩く」 𠮷崎柳歩 選
   仏壇の扉はノックせず開ける 小川はつこ
   これ以上進化はしないハエたたき 西山竹里
 止  せっぱつまっているなとわかる叩き方 橋倉久美子
 軸  痛いとは思わぬ美女の平手打ち 𠮷崎柳歩 
宿題「自由吟」 青砥たかこ 選と評
   猛暑だとご存じだったはず五輪 満月庵
   目と耳のようにフタツは要らぬ口 中川知子
 止  温暖化兵器で地球救えない 平尾定昭
   宿命のようにゴキブリ逃げまわる 青砥たかこ
席題「   」なし
     
     
     
     
     
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『 7・七 』  応募108句
  26点  7勝で終わりたくない大相撲 西山竹里
  18点   菅さんが小さく見えるG7 圦山 繁
  16点   つながった海を七つに分けて呼ぶ 戴 けいこ
  13点  七転び八起きの次は寝たっきり 坂 茜雲
       老いてなお一週間というリズム 柴田比呂志
  11点  七草をデパートで摘む都会人 芦田敬子
  10点  七光り頼りにできぬアスリート 西岡ゆかり
     夢枕立たなくなって七回忌 岩谷佳菜子
   8点   ふるさとに帰れぬ母の七回忌 瀬田明子
     七種皆言えるか七味唐辛子 北田のりこ