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前月入選句発表 お題「毒」応募 301 153人
 




































 

加藤当白 選(入選39
句)          
印は両方の選者から入選した句 
 
    毒見だと言ってほとんど食べている 松本諭二
   *毒を持つフグの油断をさせる顔 アズスン安須
    居酒屋で喉の消毒して帰宅 内田政竜
   *気の毒な話に耳が寄ってくる 圦山 繁
    毒舌を吐きだす下戸の三次会 伊田 網人
    毒盛ったことも盛られたこともない 戴 けいこ
    招かれて毒と蹴られる外来種 福村 まこと
    挨拶も毒舌で来る筆の冴え 大畑 廣起
    毒舌も好きになったら子守唄 伶音
    毒少し盛って様子を見る野心 葱坊主
   *色っぽくなるには毒がやや足らぬ 春日綾乃
    毒はあっても盛ることは無いビアス 白鳥象堂
    毒リンゴばかり並べる理想論 柴田比呂志
   *舌鼓打ってはならぬ毒見役 甲斐良一
    毒消しにあなたの愛の一滴 ホタ7713
    蘇生せぬ恋には毒になる情け 澁谷さくら
    生えただけ毒の自覚はないきのこ 荘子 隆
    身体に毒と言われるものが旨すぎる 片山かずお
   *先人が味見しました毒きのこ 東川和子
    原爆の空に絶句の毒きのこ 野平光太郎
    ニンゲンがバラ撒く毒に耐える星 圦山 繁
    お日様にあたると毒が逃げてゆく 小谷小雪
    昇天へ毒素出し切る古希の汗 本多 雅子
   *無味無臭これが毒とは恐ろしい モモコ
    捨て鉢な毒に自己嫌悪の二乗 佐佐木雀区
    同調という名の毒に晒される 冬子
    毒を持つ使わずにすむ善きことよ 市子
    武器持てば使ってみたくなる毒気 原 洋一
    毒のない男と月に笑われる 船岡五郎
    批評家の致死量超えぬほどの毒 颯爽
    勲章の裏に染みつく毒の艶 福村 まこと
    毒を盛る字の筆圧が高くなる 佐佐木雀区
    毒々しい色の鎧を着て独り 中岡千代美
   *毒針がチクリと刺さる褒め言葉 石森あやみ
    致死量に足らない毒が吠えている 宮本 信吉
   *喝采も浴び続けると毒になり 汐海 岬
秀3*毒を飲むたびに図太くなる命 八木五十八
秀2  毒舌の醒めて虚しい裏表紙 葱坊主
秀1  毒を吐き続けて青空になろう 柴田比呂志

評      生きていれば嫌でも入ってくる物理的、精神的な毒。それを「吐き続け」なければ生きていけ
       ない。元々は一点の曇りもなかった純真な心。そこに還ろうとする前向きな意志。

      じわじわと音も形もない毒気                    加藤当白

 

 








































 

青砥たかこ選(入選39句)
 

    女ですいささかの毒抱いてます 大畑 廣起
    永らえて酒も汁粉も毒という よしひさ
    地味な色で油断をさせる毒キノコ 北田のりこ
    消毒にパッと焼酎吹きかける 坂本加代
    毒ちょっと入れインパクトあるジョーク 北田のりこ
    甘かった毒饅頭の後遺症 よしひさ
    毒まんじゅう食べた政治家なお元気 上平 祥
    少しなら毒あるオトコ選びます カラリ
    アルコールに任せて毒を吐いている 堀 敏雄
    毒舌の友も降参褒め殺し 陽香
    気の毒な先頭カーのかかる網 田地尚子
    これでもかと毒づく母にギブアップ 浩子
    好物は毒ばっかりと言う主治医 木村 行吉
   *毒を持つフグの油断をさせる顔 アズスン安須
    毒のある茸と女魅力的 宮本 信吉
    毒のあるものほど人を惹きつける 翔のんまな
   *気の毒な話に耳が寄ってくる 圦山 繁
    毒を吐く人とソーシャルディスタンス あやめみのり
    ストレスへ冷えたビールは解毒剤 伶音
    中毒に特効薬がないスマホ 星野睦悟朗
    マンネリに一滴の毒晴れわたる 大澤 葵
    添加物の表示がみんな毒に見え 裕子
   *毒を飲むたびに図太くなる命 八木五十八
    毒の字に夫がツマとルビをふる やんちゃん
    家族欄毒と記入し倍返し まご命
    毒を売る店で混み合うセルフレジ 八木五十八
    水仙をニラと間違え料理する モモコ
   *毒針がチクリと刺さる褒め言葉 石森あやみ
    一升瓶毒毒毒と音で出る 原徳利
    毒舌のキャラは呼ばれぬテレショップ あやめみのり
    甘そうな毒を盛ってるマッチング ちゅんすけ
    貿易船ヒアリ一緒に運んでる 陽香
   *無味無臭これが毒とは恐ろしい モモコ
    プーチンの毒蔓延をするロシア ホッと射て
   *色っぽくなるには毒がやや足らぬ 春日綾乃
   *先人が味見しました毒きのこ 東川和子
秀3*舌鼓打ってはならぬ毒見役 甲斐良一
秀2*喝采も浴び続けると毒になり 汐海 岬
秀1  毒の無い会話の裏に潜む毒 山田明

評   例えば芸能界、女子会など、和気藹々そうな会話の中に刺さると痛い毒が含まれて
   いたりするのではないかという作者の意図が読めた。
     毒キノコ草間彌生を思い出す           青砥たかこ