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22年11月「探す」
22年10月「うんざり」
22年9月「帽子」
22年8月「切る」
22年7月「苦手」
22年6月「ガラクタ」
22年5月「弱い」
22年4月「桜 」
22年3月「待つ 」

22年2月「丁寧 」
22年1月「限界 」
21年12月「走る 」
21年11月「本気 」
21年10月「薬 」
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21年7月「避ける」
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21年5月「手紙」
21年4月「華やか」
21年3月「きっちり」
21年2月「 ゆとり」
21年1月「 試す」
20年 12月「切替え」
20年 11月「力」
20年 10月「辞書」
20年 9月「客」
20年8月「住む」
20年7月「食べる」
20年6月「休む」
20年5月「野放し」
20年4月「取る」 
20年3月「けち」
20年2月「けなす」
20年1月「鏡」
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前月入選句発表 お題「 どきどき 」

橋倉久美子 選

  異動先意に適うかと待つ内示 春葉
  ときめいて君を見つめる影法師 備瀬ちゃくし
  ときめきを第二ボタンは忘れない 加藤ゆみ子     *     
  外人が物問いたげに寄ってくる 通せん坊
  はじめての店でそろそろお勘定 杉山太郎
  エレベーター二人っきりで君といる 廣田千恵子         *
  キスをするシチュエーションに身構える 青砥たかこ
  老いらくの恋でも胸はキュンとする 良童                    *
  レントゲン医師が腕組み外さない 青砥たかこ
  画像見てしばし沈黙する主治医 通せん坊             *
  乾杯を飲み干す下戸の爆破前 眞二
  ひょっとして俺かロシアンルーレット 上嶋幸雀
  どきどきとしないお方に待たされる 片山かずお
  ミステリーツアーそうドキドキはしていない 吉崎柳歩
  宝くじどきどきさせる組違い 春葉
  どきどきとするでしょうねえあの世行き 新家完司             *
  会えそうな予感に紅を薄く引く 良童
  化粧落としてどきどきも片づける 東川和子
  PK戦ふるえてるのは親の足 濱山哲也             *
  間一髪停車どきどき鳴り止まず 加藤吉一
  ちょっとだけどきどきさせる歯の治療 加藤吉一
  収集日間違えごみを置いてきた     河内谷 恵          *
  アゴに手をあてそうになる距離に居る 峰子                    *
  どきどきの数だけ君を好きになる 松本諭二
  まだ好きよもうドキドキはしないけど 片山かずお
  始まってしまえば凪いでくる動悸     吉崎柳歩
  女子フィギュアほどはときめかない男子 吉崎柳歩
秀3 どきどきを出発させるポスト前 東川和子
秀2 善人の前でどきどきする閻魔 寺川弘一            *
秀1 アミダクジどうかあたりませんように 上嶋幸雀
 評   くじは当たるようにと願うのが普通。「あたりませんように」としたことで、状況やどきどき感がよくわかる。  
軸  びっくり箱の方もどきどき待っている 橋倉久美子 

新家完司 選

  憧れの人が隣の席に着く 早人
  役満をリーチかけずに待っている 松谷大気
  彼女の手始めてふれた映画館 伊田網人
  八十五歳まだときめいて初春の酒 高杉千歩
  スポットライト浴びて台詞が出てこない よしひさ
  深呼吸して検査結果の封を切る 東川和子
  還暦過ぎてもどきどきする注射 北田のりこ
  パソコンにいつもどきどき老いの指 高杉千歩
  娘の部屋に見てはいけないものがある アズスン安須
  ときめきを第二ボタンは忘れない 加藤ゆみ子    *     
  後ろから品評されている気配 松谷大気
  デュエットへ胸をときめかせて歌う 高柳閑雲
  老いらくの恋でも胸はキュンとする 良童                    *
  カトレアに胸弾ませている八十路 伊田網人
  PK戦ふるえてるのは親の足 濱山哲也             *
  アゴに手をあてそうになる距離に居る 峰子                    *
  エルヴィスにいまだに胸をときめかす 河内 恵
  エレベーター二人っきりで君といる 廣田千恵子          *
  フォークダンス早くあの娘がこないかな 高柳閑雲
  出くわした蛇に心臓叩かれる 加藤吉一
  お話がありますと妻かしこまり アズスン安須
  画像見てしばし沈黙する主治医 通せん坊             *
  善人の前でどきどきする閻魔 寺川弘一             *
秀3 もしかして死ぬかもしれぬ手術の日 由美
秀2 収集日間違えごみを置いてきた     河内谷 恵           *
秀1 鼓膜の裏に居すわっているあなた 山田緑青
 評    課題に凭れた句が多かった中でしっかり独立できていた。その声を思い出すだけでときめく想いを、「鼓膜の裏に居すわる」と表現したのが手柄。  
  どきどきとするでしょうねえあの世行き 新家完司             *