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22年12月「不便」
22年11月「探す」
22年10月「うんざり」
22年9月「帽子」
22年8月「切る」
22年7月「苦手」
22年6月「ガラクタ」
22年5月「弱い」
22年4月「桜 」
22年3月「待つ 」

22年2月「丁寧 」
22年1月「限界 」
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21年11月「本気 」
21年10月「薬 」
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21年7月「避ける」
21年6月「軽い」

21年5月「手紙」
21年4月「華やか」
21年3月「きっちり」
21年2月「 ゆとり」
21年1月「 試す」
20年 12月「切替え」
20年 11月「力」
20年 10月「辞書」
20年 9月「客」
20年8月「住む」
20年7月「食べる」
20年6月「休む」
20年5月「野放し」
20年4月「取る」 
20年3月「けち」
20年2月「けなす」
20年1月「鏡」
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前月入選句発表 お題「 祈る 」

橋倉久美子 選

  連絡のつかない皆の無事祈る 竹口みか子   *
  鶴何羽折れば良かったのか TSUNAMI  上嶋幸雀     *
  被災地へちっちゃな数珠も手を合わす 早人        * 
  ひたすらに祈るしかない民である 早人       *
  神様に祈ると出来ぬカンニング     吉崎柳歩
  天神の絵馬に一念込められる 通せん坊    
  合格の祈願はしてもそれっきり 氷川の杜        
  うな垂れているが祈りか居眠りか 石橋芳山
  祈らねば曲がってばかりいる心 石橋芳山    *
  合掌の手で暖める願い事    桐壺
  フェンス際祈り錯綜プロ野球 鼓吟   
  神仏宙を舞ってる競馬場 山田こいし
  神様も神に祈っていらっしゃる 吉田梨花
  アーメンと唱えて後は酒になる 山田緑青    *
  お祈りが済むとご飯を食べている 東川和子    *
  祈ってる声に出しては言えぬ事 加藤峰子    
  平和祈る釈迦もアラーもキリストも きぃろっく
  突然にイスラム教は祈り出す 眞二
  邪な祈りを神は聞き流す 沢田正司
  手術の日庭の石にも手を合わせ まりえ       *
  お祈りの形で顔を出す双葉 北田のりこ     *
  天国へ行きたいのです経上げる 加藤ゆみ子        
  極楽行きを祈ってあげるお葬式 寺川弘一    *
秀3 見返りをわずかに期待する祈り 今々爺
秀2 真剣に祈ると腹が空いてくる    丸山 進    
秀1 叶うかな少し疑いつつ祈る 片山かずお
 評   「少し疑いつつ」というのが、正直すぎておかしい。秀句3句とも、本音や人間くささを感じ、いいと思った。  
軸  祈り届かずにさなぎのままでいる 橋倉久美子 

新家完司 選(秀句以外は順不同)

  祈る間もなかっただろう津波跡 加藤吉一
  酒煙草断って術後の妻を看る 福島敏朗
  ひたすらに祈るしかない民である 早人       *
  祈らねば曲がってばかりいる心 石橋芳山    * 
  アーメンと唱えて後は酒になる 山田緑青    *
  人間に哀しみがあり手を合わす 板垣孝志    
  連絡のつかない皆の無事祈る 竹口みか子   *
  お祈りが済むとご飯を食べている 東川和子    *
  あれ以来トイレ掃除をして祈る 眞二         
  ぽっくり逝くためたっぷりお賽銭 丸山 進
  黙祷して今日いちにちの栓を抜く 善江 
  手術の日庭の石にも手を合わせ まりえ       *
  節電が今のわたしにできる事 濱山哲也
  被災地へちっちゃな数珠も手を合わす 早人       * 
  賽銭をはずんで無理なこと祈る 青砥たかこ
  足元がじんじん冷えて祈るだけ かおる
  寺ですが手をたたいてもいいんです 安藤なみ
  人類の前にわが身を祈りたり 今々爺
  トンカツをチンして祈るサクラサク 伯林
  滝壺で手を合わすにはまだ寒い 松谷大気    
  手が二つあって天地への感謝 まりえ
  お祈りの形で顔を出す双葉 北田のりこ    *
  ただ祈る最新医療の片隅で 佐藤千四
  神様も優先をするもみじの手 加藤峰子    
  地の怒りどうぞ鎮まりますように 加藤ゆみ子        
  お祈りが麻酔に融けて手術室 由美
秀3 極楽行きを祈ってあげるお葬式 寺川弘一    *
秀2 鶴何羽折れば良かったのか TSUNAMI  上嶋幸雀    *
秀1 手を合わせ鰯を頭からかじる 塚越孝一     
 評    食べものに対する感謝の念、というよりも、祈りと食欲の対比が、身勝手さを表していて面白い。  
軸  死ぬときは死にたくないと祈るだろう 新家完司