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23年7月「薄い」
23年6月「道」
23年5月「干す」
23年4月「欲」
23年3月「祈る」
23年2月「敵」
23年1月「どきどき」

22年12月「不便」
22年11月「探す」
22年10月「うんざり」
22年9月「帽子」
22年8月「切る」
22年7月「苦手」
22年6月「ガラクタ」
22年5月「弱い」
22年4月「桜 」
22年3月「待つ 」

22年2月「丁寧 」
22年1月「限界 」
21年12月「走る 」
21年11月「本気 」
21年10月「薬 」
21年9月「汗 」
21年8月「目 」
21年7月「避ける」
21年6月「軽い」

21年5月「手紙」
21年4月「華やか」
21年3月「きっちり」
21年2月「 ゆとり」
21年1月「 試す」
20年 12月「切替え」
20年 11月「力」
20年 10月「辞書」
20年 9月「客」
20年8月「住む」
20年7月「食べる」
20年6月「休む」
20年5月「野放し」
20年4月「取る」 
20年3月「けち」
20年2月「けなす」
20年1月「鏡」
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前月入選句発表 お題「 電気」

橋倉久美子 選

  節電へそろそろウナギでも飼うか こじろう
  熱帯夜電気予報に魘される 闘句朗
  せっかちに瞬く関西の電気 石橋芳山      *   
  節電の為のグッズに無駄遣い のひろ
  節電で叱る声まで通す窓 廣田千恵子
  夜目遠目電灯消えて美人増え たかさま    
  電源を切れば文明まで消える そぞろ歩き    * 
  玄関灯電気に留守を頼む旅 はるやす
  節電を熱中症が威嚇する 伊田網人    * 
  エアコンがデンキ予報を聞いている 高柳閑雲
  俺だって多少の電気溜めている 丸山 進     *
  時節柄百万ドルが泣く夜景 通せん坊    *
  節電がなんだなんだとシャンデリア 松谷大気    * 
  肩もすぼめず昼間電気をつけるビル 寺川弘一
  公園で遊べぬ電気仕掛けの子 名賀 久
  この夏は28度の電気代 由美
  節電へ孫のチェックが手厳しい 通せん坊
  ドヤ顔で首振っている扇風機 こじろう      * 
  節電で汗をかいてる扇風機 だじゃれまん  *
  怪談を始めるまえに消す電気 吉崎柳歩
  便座までヒト科は電気依存症 片山かずお    *
  電池切れなのに時計は叩かれる 加藤吉一
  ビビビッときたのはただの静電気 阪本こみち     
  私にちょっかいかける静電気 中川喜代子     
  クールビズ妻も夫もセミヌード 沢田正司
  節電か 妻が朝から動かない 嵐山        *
  何年も充電中とパラサイト ちゃこ
  原発の電気と書いてない電気 おもいやり    *  
  電気にも産地表示を付ける案 アズスン安須
  原発を甘く見過ぎた被爆国 柳舟        *
  コンセント抜いてしばらく死んだふり 備瀬ちゃくし   * 
秀3 クーラーの部屋で節電策を練る 片山かずお    * 
秀2 充電に昼寝と酒は欠かせない 早人
秀1 発電に使えぬものか蝉時雨 吉崎柳歩     *   
   発電材料として電気ウナギや雷ぐらいは思いつくが、今を盛りと鳴く蝉時雨を持ってきたことがぴったりでうまい。  
停電の街星くずが降ってくる 橋倉久美子    *

新家完司 選

  ビビビッと電流走る夏の恋 加藤ゆみ子
  せっかちに瞬く関西の電気 石橋芳山      *   
  人間は電気を食べるケモノです アズスン安須
  微電流だけで脅せる猪の鼻 加藤吉一
  原発を蹴って電気の自立の日 右田俊郎
  時節柄百万ドルが泣く夜景 通せん坊    *
  節電の汗に全開するシャワー さちこ
  停電の街星くずが降ってくる 橋倉久美子    *
  外国か異次元かきらめくアキバ 愛太郎 
  コンセント抜いてしばらく死んだふり 備瀬ちゃくし   * 
  原発がなくても夏を乗り切れる 加藤峰子
  惜しいなあカミナリさんの浪費癖 板垣孝志    
  停電のせいで告白してしまう 丸山 進
  生きている間クーラー止められぬ 児玉浪枝
  節電か 妻が朝から動かない 嵐山        *
  ストレスと静電気ならよく溜まる 宮崎かおる
  俺だって多少の電気溜めている 丸山 進     *
  クーラーを切ると電気が見えてくる 備瀬ちゃくし
  クーラーの部屋で節電策を練る 片山かずお    * 
  原発は要らない電気だけ欲しい 浮世っ子
  丸刈りで消費電力カットする 夢庭
  町中の電気を消そう星見よう 東川和子
  節電で汗をかいてる扇風機 だじゃれまん  *
  節電がなんだなんだとシャンデリア 松谷大気    * 
  ドヤ顔で首振っている扇風機 こじろう      * 
  陽光に地球おおきな電気器具 かきくけ子 
  地団駄を踏んで発電する息子 璃恩
  発電に使えぬものか蝉時雨 吉崎柳歩     *   
  節電と節水をして八月忌 小谷小雪
  眠れないらしい電気がまたついた 橋倉久美子
  ウサギ小屋今は電気も作り出す 佐藤彰宏    
  便座までヒト科は電気依存症 片山かずお    *
  あきらかに漏電してる僕の脳 濱山哲也
  原発を甘く見過ぎた被爆国 柳舟        *
秀3 節電を熱中症が威嚇する 伊田網人    * 
秀2 原発の電気と書いてない電気 おもいやり    *  
秀1 電源を切れば文明まで消える そぞろ歩き    * 
 評   百パーセント電気に頼っている現代文明の脆さを突いて痛烈。さて、電気に替わるエネルギー源はあるのか?  
軸  下手な句をひねり電力無駄遣い 新家完司