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前月入選句発表 お題「音」応募24 0121人
 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

 

 





 

 



秀3
秀2
秀1
 評

 軸


たむらあきこ選(入選35句)

    いつからか口に出せなくなる本音                  素人
* 失意の日雨は淋しい音で降る                   ちゃくし     
  弦一本ゆるがせにせず調律師                   小太郎
* 歯ぎしりも鼾も生きていればこそ                  丸山 進     
  コーヒーで本音をさぐる下戸の策                   片山
  優しさが胸の音叉に響きます                   大釜洋志
  寝ていても呼吸に耳を欹てる                  佐藤彰宏
* 真夜中に滝が流れる冷蔵庫                   河村啓子    
  梅雨の空爆音低く降り注ぐ                    はまゆう
* 音がする方へ行きたい寂しがり                 北田のりこ     
  寂しさの増してテレビの音を上げ                阪本こみち
* 音痴だと謙遜してるけど音痴                    照坊主      
  消音にして真夜中の字幕みる                     冴子
* シャッターの音もカメラのステイタス              早川 トミジ     
  胸中に雪崩の走る音がする                    みぢんこ
  音痴だと分かっていたら歌わない               小田虎賢
* 聞き覚えある靴音に振り返り                     香月       
  朝一番孫がコトコト歩きだす                   加藤峰子
  靴音でわかる今夜の飲み具合                  氷川の杜
  爆音に授業聞こえぬ基地付近                 岩堀洋子
  真夜中の羽音に耳を研ぎ澄ます               北原おさむ
* 掃除機にチャイムの音も吸い込まれ            宮アかおる     
  寝つかれぬ耳に時計が小煩い                    片山
  連れ合いの鼾止まると目が覚める              川喜多正道
  わがままな音で鳴ってるクラクション            橋倉久美子
* 近づいて離れていった救急車                  吉崎柳歩     
  どうしよう自分の本音わからない                板坂壽一
  一発の雷鳴雹を叩きつけ                   北原おさむ
  年金が暮らしの音を細くする                   よしひさ
* 沈黙が怖くて付けているテレビ                 かっぱ堂     
* 秒針の音に決断迫られる                   おかのマン     
  せせらぎが散歩の足についてくる               小谷小雪
  雨だれがシンコペーションして踊る               青砥和子
* 気まずさを追い出す換気扇の音                汐海 岬     
  失った音を心で聞いている                      冴子
  中途失聴者、あるいは難聴者の方か。蛇口を出る水音も、木々を騒がす風音ももはや聞こえない。音の記憶はそのまま心の中にある 。
  関節を鳴らしひとりを低くいる                 たむらあきこ

 

 

 








 

 




 

 





 


 





秀3
秀2
秀1
 評

 軸


吉崎柳歩選(入選34句)


  猫の恋窓を叩いて邪魔をする           大田はる
  楽しいと半音高くなる地声            中嶋安子
   セールスに半音下げて対峙する            由美
* 失意の日雨は淋しい音で降る           ちゃくし
   スコッチを注いで雨音聞くひとり           早人
   おひとりさまの暮らしを仕切る電子音        まりえ
* 掃除機にチャイムの音も吸い込まれ       宮アかおる
* シャッターの音もカメラのステイタス      早川トミジ    
* 聞き覚えある靴音に振り返り             香月       
   ゴーンとかポコポコだとかお寺から        新家完司
* 沈黙が怖くて付けているテレビ          かっぱ堂      
   酷使した身体がきしむ音を出す         青砥たかこ
   足音が先に部屋へと駆け上がる            夏舟
   雑音に紛れ込んでた天の声            上嶋幸雀
* 歯ぎしりも鼾も生きていればこそ         丸山 進     
   深呼吸すると若葉がそよぐ音           佐藤千四
* 音がする方へ行きたい寂しがり         北田のりこ     
   録音かライブか分かる震度三           船岡五郎
   出し惜しむ賽銭箱に派手な音           板坂壽一
* 気まずさを追い出す換気扇の音          汐海 岬     
   ラブソングだから虫の音心地良い         濱山哲也
   心音が届くようにと手紙書く           上嶋幸雀
   ロボットと不協和音を立てている          闘句朗
* 秒針の音に決断迫られる            おかのマン     
   靴音は等身大にしか鳴らず             やひろ
   夜のしじま我が血流を聞いている        橋倉久美子
   腰椎のあたりで今日も音がする         門脇かずお
   笑われる着信音にしています          門脇かずお
   階下ではカネを数えているらしい         山田緑青
* 真夜中に滝が流れる冷蔵庫            河村啓子     
   天婦羅の鍋で核分裂の音              まりえ
* 音痴だと謙遜してるけど音痴            照坊主     
   音たててみても独りは独りなり         田村ひろ子
   口笛を吹くと別れが辛くなる          柴田比呂志
  別れが辛いので口笛を吹いているのだが、原因と結果を敢えて逆にして、せつない気持ちをうまく表現している。
* 近づいて離れていった救急車                 吉崎柳歩