目次27年3月号
巻頭言 「 エッセイ」
すずか路
・小休止
・柳論自論「課題詠の文芸性・続」
・没句転生
川柳・人と句「 石橋芳山さん」
・例会
・例会風景
特別室
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・ポストイン
・エッセイ・あしあと
・大会案内
・編集後記

たかこ
柳歩整理

柳歩
柳歩
たかこ


清水 信さん
久美子
永井玲子さん


たかこ


 
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巻頭言

「エッセイ」 

 昨年あたりから会員、誌友のみなさんにエッセイを書いてもらっている。絶対無理…そういっていた人も渋々ながら書いてくれる。小説を書いてくれと言っても無茶になるが、エッセイは川柳を引き延ばしたものと考えているから、川柳が書けたら見よう見まねで書けるのである。
 うまく書こうと思わなくていい。自分が日頃考えていること、発見したことを文章にしてもらう。そこに川柳と同じくリアリティがあればエッセイになる。エッセイを書くことで、川柳が作りやすくなるとも考えている。 人の句を鑑賞する文章力もつくと思う。

 中日新聞なら「くらしの作文」朝日は「ひととき」毎日は「女の気持ち」これらに応募もできる。新聞への応募は内容が勝負である。見つけと旬の題材があれば文章は少々おかしくてもプロに直してもらえるから見違えるほどいい文章になる。

また鈴鹿市文芸賞・四日市市文芸賞でもエッセイの募集がある。入賞すると活字になって報奨金もいただける。

書くことは、脳にも心にも刺激を与えより潤ってくると思っている。書いて書いてしているうちに、一行が二行…やがて原稿紙二枚、三枚と平気になってくるから不思議である。

清水先生の「特別室」は、エッセイ(随筆)の最たるもの、到底真似はできない。柳歩さんの「柳論」はこれまた手が出ない。久美子さんの「アラレの小部屋」ともども毎月だから、よほど蓄積したものがないとあれだけは書けないが、お手本にはしたい。
 書くほどに、知恵の泉は涸れることなく湧き出でてくるという、見本でもあると思っている。

柳誌への執筆は順番にお願いをしているが、突発的でも書いていただいたらこの上ない喜びだ。やがて押すな押すなになってくれたらどんなにかうれしいだろう。

                                       たかこ            

 

すずか路より
生き方と死に方を問う牡丹雪 尾アなお
イケメンで寡黙がいいな美容師も 岡ア美代子
たんたんと事実を告げたさようなら 上村夢香
お伺い立てるところが多過ぎる 神野優子
風船も蝶もやさしい風が好き 前田須美代
騙されてあげる芝居が下手だから 水谷一舟
大吉なのに慎むことと書いてある 小川のんの
ひと寝入りした後やっとやる気だす 石谷ゆめこ
別腹のケーキだんだん重くなる 岩谷佳菜子
摘み草の袋を持って行く散歩 西垣こゆき
手作りのいびつなチョコに倍返し 松岡ふみお
効果音つけて手紙を書いてくる 坂倉広美
とりあえず列につかねば入れない 橋倉久美子
四年たっても余震が残る大地震 北田のりこ
ぼた餅を仏に土産春彼岸 河合恵美子
一等があるか出ないとわからない 落合文彦
泣くよりはましな程度を聞かされる 毎熊伊佐男
身構えた深夜の電話すぐに切れ 鈴木裕子
振り袖が孫を大人に変えていく 長谷川健一
難聴を武器にセールス追っ払う 水野 二
大好きな散歩しばらく行けぬ犬 竹口みか子
手綱持つ妻に毎日操られ 瓜生晴男
これも錦ヤンキース蹴り広島へ 加藤吉一
ストレスを捨てるところがみつからぬ 安田聡子
大凶の一年無事に通り抜け 芦田敬子
独善を数の力で押し通す 圦山 繁
美人ではないが仕草に華がある 鍋島香雪
ふるさとがテレビに映り手が止まる 小出順子
退院はオセロで勝った気分です 鈴木章照
初恋の彼女は謎のままでいい 高柳閑雲
四年経ちほころびかけている絆 川喜多正道
女性だけ安い割り勘止めにする 石崎金矢
銀杏を持たせてくれるいいお寺 柴田比呂志
オレオレは無縁我が家は僕とわし 竹内そのみ
受験生いない今年の春うらら 加藤峰子
日本中NHKは気を遣う 西野恵子
ケイタイの電波が届かない自由 青砥英規
雑踏に孤独楽しむ大都会 瀬田明子
寒椿ポトリ命と対峙する 外浦恵真子
嫁と娘が笑顔で並ぶ台所 寺田香林
土俵際でなければ出ない粘り腰 西山竹里
男盛りはとっくに過ぎたけど男 吉崎柳歩
気にもせず五年が過ぎた癌手術 青砥たかこ
 

整理・柳歩

川柳 人と句37「石橋芳山さん」                                                                                 たかこ


(川柳塔まつえ・川柳塔・展望・川柳葦群より)

水槽を出られぬ過呼吸の金魚
まだ丸に成りきれなくて多角形
はっきりと言って日本は伸びたゴム
骨しゃぶるアベノミクスは山羊のヒゲ
まぼろしの目覚めたときに飛ぶ蛍

何もない記憶に菜の花の黄色
妖怪と言うからたぶんそうなんだ
常識を跨いだ足が腫れている
惑星が混み合いだしてきてケンカ

骨壺のサイズ気にしているキリン
高層を見上げることもしない蟻
いいように思い込みたい待ち時間
大阪の遺跡にタコ焼きが眠る

癖のある味だ嫌われ者だろう
不可解なことににやりとするトマト
感動が欲しい近ごろ泣いてない
生き恥であろう腐ってきたリンゴ

着色をしないと毎日が白い
くちびるの濡れた女はたぶん魔女
屈辱は埋もれたままでいることだ
来年の祭りまでには死ぬ金魚
積み上げた石を仏として拝む
 

2月28日(土)例会より
宿題「怠ける」 青砥たかこ 選と評
  投手から見れば怠けている外野 橋倉久美子
  居眠りをしても歳費の出る議員 吉崎柳歩
 止 せっかちの目にどの人も怠け者 坂倉広美
 軸 口だけは怠けることがない私 青砥たかこ
宿題「心臓」(共選) 加藤峰子 選
  もうひとつ予備をストックマイハート 石谷ゆめこ
  心臓の弱りを知った坂の道 水谷一舟
 止 心臓も老いたかキュンとしなくなる 橋倉久美子
 軸 嬉しくてあなたに会う日不整脈 加藤峰子
宿題「心臓」(共選) 圦山 繁 選
  心臓も老いたかキュンとしなくなる 橋倉久美子
  褒められてご機嫌のいい心電図 鈴木裕子
 止 心臓はもう人の字を飲み飽きた 小出順子
 軸 育毛をしたい心臓持っている 圦山 繁
宿題「自由吟」 吉崎柳歩 選と評
  静電気こわくて足で閉めるドア 北田のりこ
  制限速度守って走るいやがらせ 橋倉久美子
 止 少年の親の気持ちで見るニュース 竹口みか子
 軸 体重計置かねばならぬ脱衣場 吉崎柳歩
席題「鳴る・鳴らす」(互選)
 9点 玄関のチャイムにちょっと身構える 鈴木裕子
 8点 テスト中に鳴って恐縮するおなか 橋倉久美子
 7点 携帯の鳴る方向に動く顔 芦田敬子
 6点 警鐘は鳴るがいじめに届かない 加藤吉一
 5点 風鈴はしまってほしい冬の夜 小川のんの
  のど自慢鐘が鳴るまで歌えます 青砥たかこ
  カップルを仰天させた鹿威し 吉崎柳歩
  あわてない誤作動多い非常ベル 北田のりこ
  腕が鳴る言っていたのに予選落ち 圦山 繁
 
特別室

 ゆるキャラ反対                                      清水 信

 子どもは純真で可愛いいものだが、政府や迎合マスコミが、いい大人を幼児化しようという動きには、絶対賛成できない。
『海』の国府正昭さんが、後記で「ゆるキャラ」について、罵倒しているのを読んで溜飲の下がる思いがした。

 前号に、不意の国会議員の選挙についての憂鬱について書いたが、この春の地方首長や議員の選挙をふくめて、例年のAKB48の総選挙の方が、若者たちの関心の対象になっていることになり、それを長々と放映する民間テレビもふくめて、日本の醜態として、イヤな気分を抑えることが出来ない。青年ばかりか、良いオトナたちでさえ、投票券を入手するため、関連グッズを何十万、何万円と投じて買い整えては、武道館や国立競技場の会場に行って、ファンであるアイドルの獲得票の順位に一喜一憂しているのを見ると、「この世の終り」という印象である。

 中秋、セントレアで開催された、全国ゆるキャラ大会では、全国から1699体もの「ぬいぐるみ」が集って、そのコンクールを見るために、20万人近い人が集ったという報を見て、ガッカリした。
 日本の幼児化現象は、仕掛けられた謀略の一つではあるが、国民が易々として、それにひっかかっていることが、イヤである。
 特定の人を「何々さま」と呼んだり、スポーツ選手を「マオちゃん」とか「アイちゃん」とか呼ぶことも、国民を幼児化しようとする悪しき慣習である。

 ジュニアの短歌や俳句の懸賞募集や教室が流行であるが、自分もジュニア部門を設けている文学賞の選考をしていて、真意を疑われかねないけれども、選者の幼児化が心配である。
 高齢の柴田トヨの詩集の爆発的な売れ行きも、読者の幼児化現象を前提にしなければ考えられない事象であったろう。

 大人の文化は、大人が責任を持って維持し、発展さしていかなければならぬだろう。
 文楽やオペラや交響楽団への支援を削って、スポーツ文化という言い方で、スポーツへの国費投入が増えているが、そういうインチキも、幼児化現象におもねっての政略である。

 凛として、オトナの文化や文学を我々は守っていかなければならぬ。それが不可能なら、二〇二〇年までに文化は消滅して、カジノ一色の日本になってしまうだろう。

                                                                          (文芸評論家)

誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『転ぶ』  応募88句
 1 7  寝転んで謝罪している電話口 圦山 繁
 1 2  ただ転ぶだけでは足りぬ斬られ役 吉崎柳歩
 1 0  自分史に転んだ跡が多すぎる 高柳閑雲
    9点  私なら転ぶだろうなハイヒール 石谷ゆめこ
     転んだらこんなに早い下り坂 石谷ゆめこ