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前月入選句発表 お題「 吹 く 応募 304句 157人





































 


米山明日歌 選(入選39
句)          
印は両方の選者から入選した句 
 
    吹き出しがなくても読めるサザエさん 安藤なみ
    吹く風も素直に受けて神宿る 橋田しゅう穂
    封切れば優しい風が吹く便り 平井美智子
    指笛が突き抜けていく胸の霧 ようこ
    頬に風うれしいことが呼んでいる
    人許す人の周りに春風が 重郎
    花嫁は嵐吹く日を予期もせず 古都
    ふるさとの哀愁を吹くハーモニカ 岡野 満
    家中を一つにさせた暴風雨 佐藤千四
    母が来る埃にふっとかける息
    妻から吹いて来る左巻きの風 堀 敏雄
  *潮吹いて存在感を出すクジラ 芦田敬子
  *背伸びする自分に向かい風が吹く やんちゃん
    木枯らしが吹いてマスクが乗車する 小川知子
    嫉妬心煽り立ててる火吹き竹 葱坊主
    風が吹く素顔の私お見せする 乙川初音
    吹き消したロウソクだけが知る秘密 まみどり
    吹く風にぶれず我が道70年 柳川ひょうご
  *憲法を揺する迷彩色の風 よしひさ
    ひと息に綿毛を吹いた日の青さ 十六夜
    法螺吹きも一人くらいは入れておく 東川和子
    吹き替えか字幕で見るか迷う作 甲斐良一
  *SNSあちらこちらで笛を吹く 水木星羅
    子に吹かせ親が吹き足す紙風船 渡辺勇三
    定年後向かい風吹く家の中 深谷江利子
    青空を全部埋めたいシャボン吹く 浮世っ子
    吹き替えが下手で落ち着かないドラマ たごまる子
    夫には内緒吹き矢を習ってる 田地尚子
    息かけてあげる柘榴が割れるまで 板垣孝志
  *コスモスをコスモスらしく揺らす風 橋倉久美子
    風鈴を陶酔させた軒の風 中川喜代子
    口笛を吹く故郷の風になる 大木雅彦
    吹き出しに入れた本音は消しましょう 笹田しま
  *口笛を吹いたばかりに今の妻 いわさき楊子
    沖縄に吹く風酌めぬ永田町 わこう
    強風で過労死しそう鯉のぼり 芦田敬子
秀3 火吹き竹のように煽ってくるコーチ 北田のりこ
秀2 ラムネ瓶吹いて昭和の舟を出す 前川 真
秀1 大げさに吹いて釣果の鯛茶漬 かっちゃん
評   息子が釣りをする我が家では、釣果の魚は特に美味しい。大げさに吹くところが
     いいですね。

軸      吹き出しの最後はたぶんありがとう            米山明日歌
                    
 









































 


吉崎柳歩 選(入選3
9句)
 

  *口笛を吹いたばかりに今の妻 いわさき楊子
    口笛を吹けばペダルが軽くなる 麦乃
    秋風が吹く頃終わる夏の恋 真田義子
    北風が吹くと猛暑が懐かしい つや姫
    音が出ただけで尺八褒められる 星野睦悟朗
    お隣の煙草の煙吹き返す ミント
    トランプ流わがまま風が吹き荒れる 松長一歩
    賑やかにおばちゃんたちが吹くラッパ 青砥和子
    トランペット吹きに行きたい大砂漠 かきくけ子
  *憲法を揺する迷彩色の風 よしひさ
    ふうふうと吹いて湯豆腐舌に乗る 大木雅彦
    どんぐりが背比べしてる吹き溜まり 太田昌宏
  *潮吹いて存在感を出すクジラ 芦田敬子
    スタンドの鬱吹き飛ばすホ−ムラン 通せん坊
  *SNSあちらこちらで笛を吹く 水木星羅
  *背伸びする自分に向かい風が吹く やんちゃん
    二列目でピッコロ吹いているおさげ 絹田あさ
    軽く息吹きかけられて猫になる 坪井篤子
    強風に戻って来ないブーメラン 小出順子
    権力を持たない方は吹き曝し 辻内次根
    口笛を吹いて少年大人ぶる 満月庵
    吹けば飛ぶような身体で医者いらず ポルテーニョ
    松茸にジェット気流が吹いている 小谷小雪
    ハーモニカ吹けば昭和の空になる 光畑勝弘
    ビル風を自分のせいにされるビル 西山竹里
    口笛を吹きたくなったいい知らせ 澁谷さくら
    ため息で吹いてもフルートの音色 岡本 恵
    吹くばかりで曲にならないハーモニカ 青砥たかこ
    うなだれているのが好きな吹き流し べにすずめ
  *コスモスをコスモスらしく揺らす風 橋倉久美子
    秋風が吹き監督の首が飛ぶ 颯爽
    神風が吹いて以来の頼り癖 福村まこと
    人間の都合なんかは聞かぬ風 新家完司
    うやむやにするため吹いているラッパ 松島勇象
    台風にお化け屋敷が飛ばされる 龍せん
    空っぽになるまでハーモニカを吹く 雨径
秀3 馬面の右半分に秋の風 絹田あさ
秀2 草笛を吹けばひとりの音で鳴る 平井美智子
秀1 老いぼれてきたが口笛まだ吹ける 新家完司

評    老いぼれてきたのも滑舌が悪くなってきたのも自覚している。だが口笛ならまだ
   吹ける。口笛さえ吹ければ、いつでも青春の日々に還れると作者は言っている。

    風が吹くたびに攻守が入れ替わる               吉崎柳歩