目次28年1月号
巻頭言 「 三にちなんだ話」
すずか路
・小休止
・柳論自論「川柳と遊び心」
・没句転生
川柳・人と句「私の周りの柳人たち」
・例会
・12月句会のスナップ
・インターネット句会
特別室
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・エッセイ・あしあと
・大会案内
・年賀広告
・編集後記

たかこ
柳歩整理

柳歩
柳歩
たかこ
たかこ


清水 信さん
久美子
鈴木順子さん





 
バックナンバー

25年12月(240号)
25年11月(239号)
25年10月(238号)
25年 9月(237号)
25年 8月(236号)
25年 7月(235号)
25年 6月(234号)
25年 5月(233号)
25年 4月(232号)
25年 3月(231号)
25年 2月(230号)
25年 1月(229号)
24年12月(228号)
24年11月(227号) 
24年10月(226号)
24年 9月(225号)
24年 8月(224号)
24年 7月(223号)
24年 6月(222号)
24年 5月(221号)
24年 4月(220号)
24年 3月(219号)
24年 2月(218号)
24年 1月(217号)
23年12月(216号)  27年12月264号)
23年11月(215号)
  27年11月(263号)
23年10月(214号)
 27年10月(262号)
23年 9月(213号)
 27年 9月(261号)
23年 8月(212号)
  27年 8月(260号)
23年 7月(211号)
  27年 7月(259号)
23年 6月(210号)
  27年 6月(258号)
23年 5月(209号)
  27年 5月(257号)
23年 4月(208号)
  27年 4月(256号)
23年 3月(207号) 
27年 3月(255号)
23年 2月(206号)
  27年 2月(254号)
23年 1月(205号)
 27年 1月(253号)
22年12月(204号)
  26年12月(252号)
22年11月(203号)
  26年11月(251号)
22年10月(202号) 
26年10月(250号)
22年 9月(201号)
 26年 9月(249号)
22年 8月(200号)
 26年 8月(248号)
22年 7月(199号) 
26年 7月(247号)
22年 6月(198号)
  26年 6月(246号)
22年 5月(197号)
  26年 5月(245号)
22年 4月(196号)
  26年 4月(244号)
22年 3月(195号) 
26年 3月(243号)
22年 2月(194号)
  26年 2月(242号)
22年 1月(193号)
 26年 1月(241号)


                         
以前のバックナンバー
巻頭言

「三にちなんだ話」

 皆さま、あけましておめでとうございます。今年も始まりました、昨年同様よろしくお願いします。

 年末にたくさんの交換誌がすべり込みセーフで到着しました。お正月をゆっくり過ごされるために編集もスピードアップされたことでしょう。月末に例会をやる宿命のようなものを感じながら、年明けも編集に勤しみました。
二日は未明よりお伊勢参り、サミットを控えた五十鈴川は、清く澄み切っていました。この水が血色に染まらないよう心から祈ってきました。今年はことのほか外国人の姿が目に付きました。彼らは一様に縁起物の羽やお札を買っていました。日本の良さを外から知らされる気がしました。

 話はごろりと変わりまして、数字にまつわる話が大好きな私、ときどき出してまいりましたが、今回は「三」。皆さんは「三」と言えばなにが浮かびますか?
 今年の干支にちなんで、見ざる、聞かざる、言わざるの「三猿」、出来るだけ心がけたいものです。三本の矢、川柳の三才、三三九度の杯、三面鏡、三面記事…。珍しいところで、茶道で、釜の蓋を切る音、茶筅とおしの音、茶碗に茶杓を当てる音のことを「三音」と言うようです。
こうやって書き出してみますと「三」はおおむね良い意味に使われることが多いようです。

今年、鈴鹿川柳会は「三十周年」を迎えます。三十年という重みの中、柳歩さんと二人で頑張ってきた年月がちょうど半分の十五年。今では久美子さんを交え三羽烏ならぬ三馬鹿トリオで邁進中です。

「三十周年」はとてもキリがいいので「記念合同句集」を発行することにしました。現在進行形で鈴鹿川柳会の会員誌友に限っての句集です。大会に間に合うよう編集を始めます。

さあ、川柳三昧の日々、また始まります

                                       たかこ            

 

すずか路より
磨いても磨かなくてもこんな顔 前田須美代
背の鱗落し明日へ翔びたとう 栗田竜鳳
思い出がそれぞれにある雨の音 水谷一舟
少しずつ育っています七十五 石谷ゆめこ
切れすぎる刃物年々恐くなる 岩谷佳菜子
整形医整体師にも自尊心 西垣こゆき
老いらしい時々舌を噛んでいる 松岡ふみお
まじめな顔で言うからおもしろいジョーク 橋倉久美子
歳時記が書き換え迫る温暖化 北田のりこ
地方色売りに秘策のプレミアム 河合恵美子
我が党が軽減したと触れ回る 毎熊伊佐男
魚好きを覚えてくれていた上司 鈴木裕子
新しい年寿命は長い組となる 長谷川健一
長電話一方的になってくる 水野  二
二人だからなんとか辿り着く出口 竹口みか子
三日月が背なに張り付く朝帰り 瓜生晴男
形の悪い芋は売らない焼き芋屋 加藤吉一
早やマル印来年のカレンダー 安田聡子
何遍も頭を下げるめでたい日 芦田敬子
生きている証を刷っている賀状 圦山 繁
百円のコインがないと困る風呂 千野 力
しんしんと降ろうと雪の合い言葉 小出順子
難しい相談ならば呆けたふり 鈴木章照
それ以上語ってくれぬ昼の月 高柳閑雲
最多票取ってもけなされる句会 川喜多正道
日本が負ける映画はもう見ない 石崎金矢
裁かれているのか風が強くなる 柴田比呂志
欠席をしてくれますか委任状 竹内そのみ
大丈夫まだ引き返す道がある 樋口りゑ
贅沢に三食昼寝つき老後 加藤峰子
幸せに気づく三面記事の闇 西野恵子
銭湯でちょっとゴジラになってくる 青砥英規
薬一つ飲まずに払う保険料 寺田香林
死にそうになった話はかなりある 西山竹里
バネのある人だないつも食べている 岡ア美代子
ルーツから知った家族の物語 神野優子
復興の味と香りを贈られる 上村夢香
安倍さんが配る怪しい福袋 吉崎柳歩
新しいパンツをはいて初詣で 青砥たかこ
 

整理・柳歩

川柳 人と句46「私の周りの柳人たち」                                                                              たかこ


             疋田 真也

ケータイを持った淋しい猿である
そのうちに日にち薬が効いてくる
反骨が生きる力になっている
給料は安いがあてにされている
新しいうちはちやほやしてくれる
ファインダー通して人間を覗く
楽しみはやっぱり後の方がいい

               小嶋 征次

備えして待つと台風避けて行く
菜園にまた青虫の餌を植え
生かされているから生きているのです
百億円掛けて宇宙で宙返り
義理チョコに返す苦労も付いてくる
割り込みを諭す程度の正義感
脇役が似合っています月見草

                上田 徳三

禁煙は分からぬようにすればいい
モンゴルの力士の髷も様になる
トラブルの元は言いすぎ言わなすぎ
せっかちが使うと不便全自動
枝が折れ今度も死ねませんでした
その時もこうか湯舟で眠ってた
国産とあるが一応疑おう

 

12月23日(水・祝)例会より
宿題「割引」 吉崎柳歩 選と評
  貧富の差なく割引のあるシニア 天根夢草
  五割引き買わず五割の得をする 上山堅坊
 止 半額のいちご半額以下の価値 天根夢草
 軸 軽減税率公明党が威張りそう 吉崎柳歩
宿題「打つ」(共選) 三村 舞 選
  適当に打ってはならぬ句読点 吉崎柳歩
  半鐘を鳴らす目的ただ一つ 天根夢草
 止 一本の滝に打たれていい夫婦 柴田比呂志
 軸 堂々とおでこ目掛けてする頭突き 三村 舞
宿題「打つ」(共選) 天根夢草 選
  手を打って鬼に知らせる鬼ごっこ 青砥たかこ
  胃が痛む誰かが釘を打っている 樋口りゑ
 止 気が滅入るときは畑を打ってみる 日野 愿
 軸    
宿題「自由吟」 橋倉久美子 選と評
  ひと月に一度払えばよい月謝 西山竹里
  自画像の錆びに上塗りする絵の具 小林祥司
 止 米から電気転作をした田圃 北田のりこ
 軸 柚子持った手にいつまでも香が残る 橋倉久美子
席題「家族」
10点 年末のハガキで知った家族葬 川喜多正道
 9点 叱られた子の逃げ場ない核家族 上山堅坊
 8点 自分だけ家族思いと皆思う 岩谷佳菜子
 7点 家族には読ませられない私小説 橋倉久美子
 6点 家庭内離婚でもいい家族割 北田のりこ
特別室

 滝川勇吉の『野』                                   清水 信

 書庫の整理中である。『野』という個人誌が出てきた。伊勢市高柳の滝川勇吉が出していたものであり、その6号は一九七二年十一月刊。内容は、
(1)にせいろは歌
(2)詩集(8篇)
(3)エッセイ、川柳とは何か
 の3部、「川柳とは何か」は、48ページ中、15ページを使っている。
 河野春三の『無限階段』という句集を読んでの感想から書き始めている。

・恍惚と吸う少年よ何処へゆく
・水栓のもるる枯野を故郷とす

『無限階段』の巻頭部にある二句らしいが、「恍惚と」にしびれて、川柳を見直した滝川は「水栓のもるる焼土を故郷とす」という原作の「焼土」を「枯野」に直したことで、この妥協的性格を非難している。「大阪かどこか」焼跡になった町の片隅であればこその「詩情」だろうに、と書く。
 川柳とは「具体的なもののうたいあげを通して、生きた現実を体感させるもの」(佐藤冬児)という規定の紹介から始まって、水原秋桜子、石田波郷、角川源義、金子兜太、黒部節子、加藤郁乎、前川知賢、柳田国男、花田清輝らの作品や言葉を引用しつつ、論を進めている。
 四日市市で詩誌『原始林』を主宰していた前川知賢の言葉は、こういうものである。
「詩は第一義的に社会に対する批判を含まねばならぬ。真にすぐれた文学とは、その時代の切実な要求なり問題なりを反映して、生み出されるべきものである」
 自分も概ね、この詩人に近い考えを持っている。更に河野の句。

・算盤は妻の手にありごろ寝する
・どん底に笑いこけたるその笑い

 二つを掲げて、川柳は断固として俳句と袂を別かつべきだと述べ、川柳の活力が失われるのは、概ねことば遊びにおいてであると指摘している。
 そして、どの句集にもエラーと思えるような作品があるが、全体として救うのは、「社会と世界に注ぐアクチュアルな目」でしかないと言い切っている。
 遠聞するところでは、いまや滝川勇吉は、モーロクが進んで、ほとんど外出も不可能になっている由。

 それでも、生きていてほしいと願う前衛の人である。

                                                                            (文芸評論家)

誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『 拾う 』  応募90句
 1 3  手を上げても拾ってくれぬ救急車 圦山 繁
   9  王子様が通るあたりに靴を置く 樋口りゑ
   スカウトが拾うスターになる卵 加藤吉一
   7点  山里の秋を拾いに地方記者 栗田竜鳳
    容赦なく私語を拾っているマイク 鍋島香雪
     拾い上げた部下がお先に出世する 小川はつこ