目次29年9月号
巻頭言  「下5と形容詞」
すずか路
・小休止
・インターネット句会
・柳論自論「課題の意味」
・人と句「加藤 鰹さん」
・例会
・例会風景
・宿題選評
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・ポストイン
・エッセイ・その他
・大会案内
・編集後記

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巻頭言

「下五と形容詞」                                                                        

 今回のタイトルは、柳論ではないが、何時もと雰囲気が違うとまず自分で思う。
 句を作るとき、五七五のうち上五・中七は割と思いつくのに、下五の着地、起承転結なら「結」が決まらない。こういう話をすると「おかしなことを言うね」と言われたことがある。「思い」があって、十七音にするのだから、頭の中で組み立てて行ったら、下五も自然と出来ているはずだと分かっているのだが…。

 「下五」の役割で一番は、思いもかけぬどんでん返しが出来ること。その時、形容詞を持ってくることはなるべく控えたい。例えば「美しい」「恐ろしい」「難しい」などの言葉は内容にもよるがそれだけで強い意味を持ち、感じてもらえる句にならないからだ。だが、形容詞を使って、成功例もある。

整形をした鼻だけが美しい   吉崎柳歩
置手紙の置き方かなり難しい  橋倉久美子
永遠に続かないからおもしろい 青砥たかこ

 これらは客観的な状態を表しているので、悪くはないのだ。

 川柳を始めた頃は、席題を考えていてもやはり下五が浮かばなかった。ついつい、形容詞に逃げてしまいそうになる。締めくくる言葉が出て来ないので、同じように句を考えている人たちに、
「ねえねえ、五文字の言葉何か思いつくもの言って」
  など、言うと、「おみなえし」「墓参り」「シンデレラ」など次々出してくれた。私はそれらからヒントを貰って句を仕上げたりした。または、全然関係の無い言葉で下五を締めくくったりしたところ、意表をついて抜けたりした。だが、抜けても嬉しくなかったのも確かだった。

  生涯使わない言葉も多い。誰も考え付かない言葉なんて簡単に言うがおかしなことでもある。だけど出来るだけ人の手垢が付いていない、思いにフィットした言葉を見つけたい。

                                      たかこ

 
すずか路より
被災地へ物見遊山のハイヒール 西垣こゆき
梅雨明けは早まりました今日も雨 松岡ふみお
八十歳を過ぎると夕焼けがきれい 坂倉広美
いろいろとあって明日は内視鏡 橋倉久美子
ズッキーニとカボチャ仲間とわかる花 北田のりこ
リモコン操作暮らしの中で鍛えられ 河合恵美子
空腹でスーパー行くと買い過ぎる 中川知子
うまずたゆまず焦らずやれるのは「遊び」 毎熊伊佐男
目と耳を使って明日も豊かにす 寺前みつる
輪の中の友を見習う褒め上手 鈴木裕子
暑くても知らぬ顔して蝉は鳴く 長谷川健一
百三万円超えて厳しく叱られる 竹口みか子
避雷針妻の雷までは無理 瓜生晴男
手術より麻酔注射が先ず怖い 加藤吉一
盆休み家族旅行に無事参加 安田聡子
来客でペットボトルの茶を入れる 芦田敬子
ほどほどで済んではくれぬ悩みごと 圦山 繁
ポンちゃんと隣の猫に名を付ける 千野 力
土用丑二、三日後は予約なし 西川幸子
お気遣いご無用わたし元気です 鍋島香雪
泳げない水とケンカをしてしまう 小出順子
ジョーカーを引いた右手が汚れてる 高柳閑雲
寝たきりも大事な事は聞いている 川喜多正道
お通じの無い日は少しウツになる 石崎金矢
逃げ足の速いのもいる蝸牛 柴田比呂志
まだ少し茶髪残して母になり 竹内そのみ
続くのは動機が不純だからです 樋口りゑ
ふとそれた路地に見つけたけんけんぱ 眞島ともえ
タッチ棒つかいスマホと仲良しに 加藤峰子
何語でもトーンは同じ痴話喧嘩 福村まこと
ガリガリ君舐めるひとときの安らぎ 佐藤千四
チューブ入り絵具を持って空の下 青砥英規
夢ならば覚めないでくれ向かい箸 西野恵子
最終章やっと突っ張り捨てました 寺田香林
プラレールと図鑑で小さい鉄男君 瀬田明子
骨壷に全部は入らないお骨 西山竹里
黒揚羽と木槿の熱いキスを視る 日野 愿
頼っても頼りきってはならぬ杖 澁谷さくら
ミサイルに為す術もなくジムに行く 神野優子
初対面仲良くなれる野球場 上村夢香
歯を磨きながらカラオケ聞きながら 前田須美代
十一時二分へ止まる蝉時雨 栗田竜鳳
月間の天気予報は信じない 岩谷佳菜子
青春のひとこまにある資本論 吉崎柳歩
なんやかや理由をつけて歩かない 青砥たかこ
 

整理・柳歩

8月26日例会より
宿題「午後」 吉崎柳歩 選と評
   午後に咲く花にふわっと誘われる 寺前みつる
   踏切の音も間延びの昼下がり 圦山 繁
 止  夕立がすこし涼しい午後にする 芦田敬子
 軸  午後三時まだ居酒屋は開いてない 吉崎柳歩
宿題 共選「伝える・伝わる」 西垣こゆき 選
   ぶぶづけでもと言わせてしまう長い腰 寺田香林
   つば飛ばしているが言いたいこと不明 青砥たかこ
 止  伝言が変換ミスのまま続く 樋口りゑ
 軸  言いました聞いてないよで仲違い 西垣こゆき
宿題 共選「伝える・伝わる」 川喜多正道 選
   戦争を伝える声が細くなる 橋倉久美子
   正確に伝えなくてもよい噂 西山竹里
 止  慎重に選ぶ伝言頼む人 橋倉久美子
 軸  いいね見て不安拭っている総理 川喜多正道
宿題「自由吟」 橋倉久美子 選と評
   稲刈りを邪魔しています朝の雨 千野 力
   判決の前にはしないファンファーレ 吉崎柳歩
 止  落ちてるとビックリさせる付けまつげ 竹口みか子
 軸  褒められはしたが給料そのまんま 橋倉久美子
席題「光・光る」 清記互選 高点句
11点  光ってる間はサイン求められ 芦田敬子
 7点  仏壇を光らせ経をあげる盆 鈴木裕子
   ミサイルか流れ星かは分からない 吉崎柳歩
 6点  こんもりと光を盛ってかき氷 橋倉久美子
   控え目に光っていますわたくしも 北田のりこ
   未熟さが取れて失くしている光 圦山 繁
   熱帯夜も不眠不休の信号機 橋倉久美子
 
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『ボート』  応募96句
13点  漕いだ分漕いで戻ってくるボート 橋倉久美子
 9点   カップルにやきもち焼いているボート 水野リン子
 8点     避難するペットも乗せているボート 圦山 繁
    主導権ボート漕ぐ手に握られる 松長一歩
   人の世を泳ぐボートがよく揺れる 青砥たかこ
    涼しげに見えて涼しくないボート 樋口りゑ
   一人では乗る気にならぬ貸しボート 川喜多正道
   漕ぐ人はあまり楽しくないボート 樋口りゑ