目次26年1月号
巻頭言 「 リニューアル」
すずか路
・小休止
・柳論自論
・没句転生
川柳・人と句「 宮村典子さん」
・例会
・例会風景
特別室
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・ポストイン
・あしあと・その他
・大会案内
・年賀広告
・編集後記
 

たかこ
柳歩整理

柳歩
柳歩
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たかこ



 
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巻頭言

「リニューアル」

 明けましておめでとうございます。

 前回の午年平成十四年に、私は会長に就任しました。干支一巡りをしたわけです。
午年はとても運勢が強いようです。良い方に強いといいなと思いますが…

午年と相性の良い干支は申年(さる)で、相性が悪い干支は子年(ねずみ)だそうです。ちなみに私の両親は、父が子年生まれで、母が午でした。言われてみればそれほど仲がよかったとは言えません。相性を血液型で決めたり、干支で診断するのもどうかと思いますが、頷ける部分もあって面白いものです。

 昨年の暮れ、忘年会の会場は三重郡菰野町の「希望荘」でした。数年前に行ったことがあるのですが、それは素敵にリニューアルされていて驚きました。

「リニューアル」といえば、子ども達が幼い頃使っていた布団を孫用に打ち直してもらいました。最初は捨てるつもりで隣の布団屋さんに見せたら、質のよい真綿が使ってあるからもったいないと言われたのです。
 捨てて新しいものを買えば逆に安く済むこともあるけれど、元がしっかりしたものなら手を加えて一新するのも余計愛着が湧いていいものだと思います。

 今年は私自身の生活が少し変わります。時間に追われ編集してきたこの柳誌を、気持ちの上で「リニューアル」して行きたいと考えています。ついでに自分自身も「リニューアル」できたらいいのですが…
 このようになんでもリニューアル出来るものはすればいいのですが、川柳の「リニューアル」はあまりいただけません。限りある言葉を使っての十七音ですから、難しいことですが、だからやりがいもあるといえますね。

 新年早々昨年十一月号の続きのような巻頭言になりましたが、今年もよろしくお願いします。

 
                                         たかこ            

 

すずか路より
安心の神話も歳月が崩す 河合恵美子
はったりを効かし面接切り抜ける 落合文彦
年金の減額通知だけポトリ 鈴木裕子
お歳暮をあおるテレビにもう無縁 長谷川健一
居留守して電話を避ける猜疑心 水野 二
知りたくて質問攻めにした手紙 竹口みか子
遠回りした甲斐あって花と会う 瓜生晴男
都知事選最初はグーの名が浮かぶ 加藤吉一
寒いから今日一日は引きこもり 安田聡子
ショートケーキ分けて聖夜の老い二人 芦田敬子
甘く見た虫歯に夜討ちかけられる 圦山 繁
本当の気持ちを書けと紙が言う 鍋島香雪
ブランドの前は用ないショッピング 小出順子
味噌汁が無かったような休刊日 鈴木章照
愛よりも砂糖たっぷり豆仕込む 青砥和子
通販で怪しい薬買うてみる 山本 宏
夢だけは天空を向く馬の鼻 高柳閑雲
柳誌まで検閲受けた時思う 川喜多正道
酒タバコやって長生きしてる人     石崎金矢
これからは妻の歩幅と決めている 柴田比呂志
宴席の番号貰い胸騒ぎ 脇田雅美
はやばやと子守の予約くれる嫁 加藤峰子
維新みんな生活大地名前負け 佐藤彰宏
コンビニに弟子入りしたいおでん鍋 西野恵子
白線を少しはみだし拗ねている 青砥英規
ささくれてストッキングが懐かない 尾アなお
黒門に飛び交っている外国語 岡ア美代子
逝った子の母が祝った誕生日 神野優子
越年へ愛されるより愛したい 寺田香林
どうしよう私も国も秘密主義 外浦恵真子
それからを語り明かしたクラス会 瀬田明子
形見分け母の匂いが染む小紋 奥村吉風
蘇生する為の酒です悪しからず 前田須美代
あそび心だからあなたが許せない 水谷一舟
終電の席にひそんでいるドラマ 加藤けいこ
追突の車も虹を見ていたか 小川のんの
来年もまたと言えない歳になり 石谷ゆめこ
目をつむりゃ掃除せずとも年明ける 岩谷佳菜子
お隣の落ち葉そっくり返したい 西垣こゆき
保険屋も勧めに来ない七十五 松岡ふみお
情報公開できすぎている町に住む 坂倉広美
デートならもっとうれしい観覧車 橋倉久美子
まちがって押してしまった非常ベル 北田のりこ
老人割引夫婦そろって受けられる 吉崎柳歩
編集のたびにパソコンすねてくる 青砥たかこ
 

整理・柳歩

川柳 人と句23「宮村典子さん」                                                                                    たかこ


っぽ向くときも笑顔を絶やさない
満員電車の中でイルカとすれ違う
脱げそうで脱げない常識の衣
もしもの時はいちばん先に来てほしい
飾られて花も痛みに耐えている

汚れたら拭く簡単なことなのに
書くのは苦手描くのはもっと苦手
人間を続けるために洗う首
泡立てて使う心もセッケンも

サプリメントは恋生き生きと老いたいね
落ちないように心の中のマンホール
嫌われています大嫌いな人に
いつ頃からか音沙汰のないピアス

カラフルな薬いのちを刻む音
不器用な手紙 微かに匂う愛
水中花を贈る真夏を病む人へ
裏の裏の裏を読んではいけません

喪中ハガキが来ない生きているらしい
ストレスの山を登っているニトロ
負ける気がしないまっ赤なイヤリング
大好きを続ける夢が醒めるまで
咲き終わった薔薇です夢を散りながら

 

12月22日(日)例会より
宿題「鼻」 吉崎柳歩 選と評
  冷たい鼻付けて起こしてくれる犬 竹口みか子
  鼻の穴出すと不潔になるマスク 天根夢草
 止 仲直りに鼻毛を切ってあげましょう 南野勝彦
 軸 税関のエースは麻薬探知犬 吉崎柳歩
宿題「つなぐ」(共選) 岩田明子 選
  アンカーにつなぐたすきがすり切れる 青砥たかこ
  結び目の分だけ固くなるきずな 橋倉久美子
 止 抗議デモ知らない人と手をつなぐ 吉崎柳歩
 軸 この次もどうぞとつなぐおもてなし 岩田明子
宿題「つなぐ」(共選) 天根夢草 選
  丸い輪の一つとなって手をつなぐ 岡崎美代子
  コミュニティーバスでほそぼそ繋がれる 吉崎柳歩
 止 仲裁者の意向やむなく手をつなぐ 加藤吉一
 軸    
席題「雪」(互選)
17点 雪が降り街は童話になっていく 柴田比呂志
15点 根性のある雪だけがなるつらら 加藤吉一
13点 雪国の人は作らぬ雪だるま 西垣こゆき
 8点 淡雪のようなあなたが掴めない 岩田明子
 7点 熱すぎて雪放り込む露天風呂 北田のりこ
  わたくしが抱いたら溶けた雪おんな 吉崎柳歩
 6点 少しだけうれしくなれる雪マーク 柴田比呂志
 
特別室

 藍の色艶                                         清水 信

 創刊40周年記念大会を終えた『藍』の467号は9月刊。主宰を花谷清に譲った母堂の花谷和子(91歳)がまだまだ元気で舞台骨を支えている。

 巻頭の花谷清の作品から三つ。

・夏至の夜の真ん中に置くパナマ帽
・大輪の朝顔しおれ易きかな
・地下街にあふれる人や原爆忌

「パナマ帽」とか「大輪の朝顔」など、ねらいが良いと思う。

「藍集」(上位11位)から、川柳への傾斜が目に立つ作品を選んでいく。

・夫という鏡も借りて更衣      佐野玲子
・つかみどころなし噴水も魂も    麻殖生伸子
・山頂まで途絶えぬ会話著我の花     高坂栄子
・好き嫌いいよいよ薄れ花十薬           綿貫伸子
・絶叫の口にて焼かれ鮎の膳             上村勝子
・支え合う八十路の夫婦花トマト          大島晴子

 誌中に第64回読売文学賞を得た和田悟朗の『風車』についての記事があって、そこから孫引きした佳句を挙げると、こうだ。

・空間にぶつかりぶつかり鹿駆けり
・水あれば時は止まらず金魚池
・地球儀にわが町見えず大晦日

 鹿の走り様は、本当にあちこちにぶつかる走りようで面白い。地球儀の句もバカバカしくて笑ってしまった。
 福知山で花火見物客をめぐる大事故があった夜から数日後の文学の会で、むかしは「遠花火」という美しい言葉があって、花火を遠くの空に横に見る風情を賞でたものだと話した。
 何でもライブ感覚で、人混みの現場に行き、混雑の中で、真上に開く花火を見るのが美しいとは限らんのだと話した。エグザイルやスマップや嵐などのライブを見ると、立ちっ放しで騒いでいるだけで、音楽を楽しむという感じは丸で無い。何でもライブ感覚でないとガマン出来ぬというのは、現代病の一つであろう。

 誌中に「遠」を詠む佳句があった。

・遠蛙やつと自分の時間得て
・遠方に更地のごとく麦の秋

(作者名略で紹介した)

▼豊中市末広町2・8・5 花谷清

                                                                           (文芸評論家)

誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票『 力 』  応募94句
 1 6  おばさんになったら付いてくるパワー 吉崎柳歩
 1 2  詰め放題主婦の力を試される 鈴木章照
 1 1  記憶力も忍耐力も妻が上 北田のりこ
   9  途中まで力を抜いているゆとり 鍋島香雪
      振り向かす力を持っている美貌 吉崎柳歩
   8    力にはなってやれない通信簿 よしひさ
      赤ちゃんは生めぬ男が力んでも 鈴木裕子
        死に神に負けぬ力を溜めておく 山本  宏
  7  民主主義数の力という魔物 圦山  繁
      このひとにこんな力がある握手 坂倉広美