目次30年10月号
巻頭言  「台風襲来」
すずか路
・小休止
・柳論自論
・人と句「圦山 繁さん」
・例会
・例会風景
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・ポストイン
・エッセイ・その他
・大会案内など
・編集後記

 


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25年 1月(229号)    29年 1月277号)
24年12月(228号)   28年12月276号)
24年11月(227号)  28年11月275号)
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巻頭言

「台風襲来」 

 「伊勢湾台風の再来」と気象庁が脅かすので、三重県や愛知県の、それも沿岸部の住民はかなり緊張したようである。昭和34年にはまだ生まれてなかった世代でも、伊勢湾台風がこの地方にもたらした甚大な被害と恐怖の一夜については、親族はじめ大人に、折に触れて聞かされていただろう。

 九月三十日、和歌山県田辺市あたりに上陸した台風24号は、三重県や愛知県を通過し、各地に大きな爪痕を残したが、高潮による堤防決壊など、伊勢湾台風の再来とはならずに済んだことは、不幸中の幸いであった。
 私は、伊勢湾台風の翌年、五月に当地に転居してきたのだが、それ以降は、それまで住んでいた山口県の徳山市(現・周南市)と比べれば、台風襲来の頻度や規模は、ずっと小さかったように思う。

 徳山では、物心が付いてから以後、しょっちゅう台風が来ていたように思う。製鉄会社の社宅は、旧陸軍、暁部隊(海上輸送)の基地の跡地に建てられ、南側は海、東は末武川、西は堀川(運河)、そして北側には大きな池があった。つまり社宅の四方が水に囲まれていたのである。昔のことだから堤防などもないし、台風でなくても、高潮の時などは通学路に溢れそうな水位になることもあった。
 ちなみに現在、元軍港は競艇場に、社宅の跡地は、その駐車場や公園になっている。昔の面影は地形のみである。

 昭和25年6歳のとき、キジア台風が襲来した。このときは会社の手配したバスで、独身寮のような建物に避難した。「社宅は屋根まで水が来ている」という情報に、父が「見てくる」というので、母が「バカを言いなさんな」と必死に止めていたのを憶えている。 その四年後には洞爺丸台風が襲来した。青函連絡船が沈没し多くの犠牲者が出た台風だ。雨戸のない硝子窓を必死で押さえた。この時は避難が遅れ、海と、東西の川三方から水が押し寄せてきたので、「会館」に歩いて避難した。子どもの背が届かないところもあり、私は泳いで会館に辿り着いた。

 台風25号が発生し、予断を許さない状況だ。逆走台風12号から始まり四つ目、三重県も台風銀座になってきた

                                         柳歩

 
すずか路より
災害が波状攻撃する日本 千野 力
便座少し温められて秋になる 西川幸子
人混みを芥になって流される 小川はつこ
キスなんか求めていないフグの口 小出順子
日曜日からを維持するカレンダー 川喜多正道
曇天というどうしょうもない理由 柴田比呂志
家の中こんなにあった不用品 竹内そのみ
手相見てもらい汚い手で帰る 樋口りゑ
寂しくて扉を一つ開けておく 眞島ともえ
帰国するたびに増えてるカタカナ語 福村まこと
おはようと血圧計が呼んでいる 佐藤千四
ハイチーズ自信満々総入れ歯 西野恵子
送るのか送られるのかのほほんと 寺田香林
これでもか自然が人に挑む夏 瀬田明子
五輪より大事と思う防災費 西山竹里
電気消えレトルト黙黙と食べる 日野 愿
停電三日台風の置きみやげ 岡ア美代子
事故よりはいいと渋滞受け容れる 澁谷さくら
亡くなって心に染みるありがたみ 竹原さだむ
ハードルを上げるおばちゃんバレエ団 神野優子
追伸の端に別れのキーワード 上村夢香
物憂げな秋カーテンの隙間から 前田須美代
電線を張らねばならぬ電気柵 佐藤近義
タマスダレ母逝った日のままの白 坂 茜雲
窓開けて月と虫の音招き入れ 大川里子
方言でおれおれ詐欺の止(とど)め刺す 岩谷佳菜子
相槌を打てない意見ばかり聞く 西垣こゆき
無花果の実り無惨に台風禍 松岡ふみお
余生とはこんなに暑い夏だった 坂倉広美
音読とラジオで孤独吹っ飛ばす 勝田五百子
喪主の妻忍耐力を試される 橋倉久美子
競技かるた目を回してる歌の主 北田のりこ
笑う日も来ると信じて米を研ぐ 河合恵美子
よく眠りフル充電で起きる朝 中川知子
上手下手言うよりまじめさが大事 落合文彦
老・病を避けて通れる道はない 毎熊伊佐男
どんな元気な人でもきっとある悩み 奥田悦生
初孫の初月給で食事会 村井一朗
留守電の知らない人の声を聞く 鈴木裕子
ただ耐える夜の台風風の音 長谷川健一
普段着が似合う普通の男です 瓜生晴男
剃らずに行く床屋磨いて行く歯医者 加藤吉一
二人とも腹七分目に決めました 安田聡子
風当たり日当たり共にいい我が家 芦田敬子
原爆を落とした国に尻尾振る 圦山 繁
初心者の質問ちょっと身構える 吉崎柳歩
別腹のように小説湧いて来る 青砥たかこ
 

整理・柳歩

 

9月22日(土)例会より

宿題「貫く」 吉崎柳歩 選と評
   容疑者が貫いたってよい黙秘 西山竹里
   正解を貫き通す計算機 樋口りゑ
 止  竹串に刺され行儀のよい団子 小川はつこ
 軸  俺流を貫くときに出る痛み 吉崎柳歩
宿題 共選「河童」 芦田敬子 選
   コンビニでペットボトルを買う河童 西山竹里
   慎重に人目を避けている河童 吉崎柳歩
 止  流されてうっかり海に出た河童 橋倉久美子
 軸  東北へ河童探しの旅に出る 芦田敬子
宿題 共選「河童」 川喜多正道 選
   ブルの音河童に帰る沼がない 関本かつ子
   被災地に河童も並ぶ給水所 福村まこと
 止  慎重に人目を避けている河童 吉崎柳歩
 軸  河童巻き頼むしかない菜食者 川喜多正道
宿題「自由吟」 青砥たかこ 選と評
   夕方に疲れてくると角がでる 安田聡子
   プルタブを集める為に飲むビール 岩谷佳菜子
 止  以前より増えた竜巻注意報 北田のりこ
 軸  好きなことに没頭熱のあるうちに 青砥たかこ
席題「偉い」 清記互選 高点句
 7点  先頭が一番偉い渡り鳥 青砥たかこ
 5点  銅像になって朽ちゆく偉い人 北田のりこ
   リボン付けて偉い人だとわからせる 芦田敬子
   車のドア開けてもらえる偉いさん 小川はつこ
   そこそこの偉さでお札にはなれぬ 橋倉久美子
   鰯より偉いと鯛が威張る膳 西垣こゆき
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『 清い 』  応募96句
 11点  清くてもそうでなくても欲しい票 澁谷さくら
   アルバムに閉じ込めている清い恋 圦山 繁
 1 0点   パソコンのおかげ清書はせずに済む 芦田敬子
    清純派の見られたくない私生活 中村あけみ
  9点      清いまま月に帰ったかぐや姫 西山竹里
  8点  清い人追いかけはせぬ週刊誌 松岡ふみお
    清貧に生きて錦に縁がない よしひさ
  7点  清廉に過ぎる夫を持て余す 吉崎柳歩