目次31年4月号
巻頭言 「新元号と案山子」
すずか路
・小休止
・川柳つれづれ
・人と句「小林信二郎さん」
・例会
・例会・例会風景
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・エッセイ・その他
・大会案内
・編集後記

 


柳歩
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巻頭言

「新元号と川柳集『案山子』」

   四月一日、新元号の発表があった。「万葉集」を典拠としたもので、中国の古典からでなく、日本で記された国書を典拠(よりどころ)とする元号は初めてということらしい。
 各界の有識者9人による「元号に関する懇談会」に原案を示した上で、決められたということであるが、今日(二日)の朝日新聞には「初の国書、首相のこだわり」とある。       

 「令和」の出典は、「万葉集」巻五、梅花の歌三十二首并せて序の「初春の令月にして気淑く風和す〜」(書き下し文)の「令」と「和」から引用したもので、その文意からすると何ら不信感など抱くものではない。
 しかし、個人的に気になるのは、「令和」の「令」は、命令の令(せしめる)で、「和」は、「和を以って貴しとなす」の「和」でもあることだ。「みんな仲良くしなさい」という、けっこうな意味にもとれるが、これが「上から目線」「お上の意向」ということでは、いささかの危惧もある。民主主義の否定とも取られかねない元号ではある。 

 さて私事であるが、私の平成最後の大仕事として、川柳集『案山子』を上梓した。八年前の『瓶の蓋』に続き、第二句集ということになる。
 私は昭和十九年生まれなので、「平成」に続き、今月中にくたばらないかぎり、「令和」にも首を突っ込むことになる。そして「令和」の何年かに生涯を終えることになるのは確かである。ちょっと気が早いかも知れないが、この七日に後期高齢者突入の誕生日を迎えることもあって、「遺句集」を兼ねて発行したものである。川柳集の「あとがき」にも書いたが、遺句集ということなので、今回はどなたにも「選句」や「序文・跋文」をお願いしなかった。生前葬のようなもので、一切を自分で取り仕切った、ということである。

 『案山子』は、三月中旬には刷り上がっていたのであるが、発行日は「四月七日」とした。三月の例会出席者や、個人的にご厚誼をいただいている方々には既にお配りした。会員、誌友、その他の方々には「本号」に同封して郵送する。今後、私の出席する例会、大会などでも、読んでくださる方々にお配りしたいと思っている。

                           
               柳歩

 
すずか路より
自販機がしぶしぶだしてくるお釣り 勝田五百子
寝たままではペットボトルの茶が飲めぬ 橋倉久美子
引っ越しのトラック春の風を切る 北田のりこ
縦書き横書き両方できる日本語 河合恵美子
朝陽浴びパワー注入して貰う 中川知子
分厚いと眠ったままの説明書 落合文彦
余り物に価値なし残り物に福 毎熊伊佐男
救急車に乗って夫婦のフルムーン 寺前みつる
冷静に今の自分を受け入れる 奥田悦生
日墓参を欠くと噂の立つ地域 村井一朗
小さい方を応援したい大相撲 鈴木裕子
議論せず出した答は抜けが有る 長谷川健一
プレゼント夫に貰い眠れない 竹口みか子
風温み土手の土筆も頭出す 瓜生晴男
自慢話頷くよりは引いて聞く 加藤吉一
ストレスを溶かしてくれたうなぎ丼 安田聡子
朝ドラのせいでラーメンよく食べる 芦田敬子
迷惑をかけているとは知らぬ杉 圦山 繁
月一の歯医者予約日すぐに来る 西川幸子
都会人で賑わっている田舎町 小川はつこ
白い歯は見せたことない達磨さん 小出順子
孫が来る前にきれいに磨く家 川喜多正道
いい人はいい人なりの肩の凝り 柴田比呂志
生活の音も静かな老いふたり 竹内そのみ
たけのこの山へたけのこ掘りに行く 樋口りゑ
時という万能薬に生かされる 眞島ともえ
梅の香のシャワーの道を散歩する 石崎金矢
独り居に笑い袋は棚の上 小林祥司
悪妻と呼ばれるだけにいい女 高柳閑雲
年齢を悟り始める若作り 福村まこと
限界集落似合いの雪に春の風 佐藤千四
絶対に嘘と言い張るのが怪し 西野恵子
青空にインスタ映えのミモザの黄 瀬田明子
桜餅を本物にする桜の葉 西山竹里
いつだって子の命日に雨が降る 日野 愿
笛吹いて踊りたがっている仲間 岡ア美代子
春の宵すこし浮かれて出す尻尾 澁谷さくら
顔合わせ若い二人が眩し過ぎ 神野優子
さようなら顔は見せずにメールだけ 上村夢香
通り抜け禁止と有るが通ります 前田須美代
金庫ごと盗まれたなら元も子も 佐藤近義
列車旅キャリーケースは邪魔になる 坂 茜雲
桜みち見上げる顔は皆うらら 大川里子
多国籍言語飛び交う保育園 岩谷佳菜子
達筆の人に返辞が書きにくい 西垣こゆき
操縦権娘に譲る耕運機 松岡ふみお
ミサイルを持つ気も少しある平和 坂倉広美
案山子にも私にもある無力感 吉崎柳歩
趣味だけど命を削ることもある 青砥たかこ
 

整理・柳歩

3月23日(土)例会より

宿題「ピンク」 吉崎柳歩 選と評
   勝鬨をあげてピンクになる桜 柴田比呂志
   卑猥だと言われたくないピンク色 芦田敬子
 止  脇役にあんまり似合わないピンク 西山竹里
 軸  ハネムーンのピンクに負けるフルムーン 吉崎柳歩
宿題 共選「省く」 小川はつこ 選
   一粒も省けはしない砂時計 小出順子
   省かれずによかった五人目の私 勝田五百子
 止  初対面の挨拶省く救助隊 福村まこと
 軸  便利さが省いた手間を懐かしむ 小川はつこ
宿題 共選「省く 毎熊伊佐男 選
   省いてはならない温泉の掛け湯 吉崎柳歩
   校長のお話だけは省けない 橋倉久美子
 止  無駄なもの全部省いて味気ない 小川はつこ
 軸  双葉のうちに省かなければならぬテロ 毎熊伊佐男
宿題「自由吟」 橋倉久美子 選と評
   名前だけ載ればいいのにカッコ歳 小林祥司
   暖房でやる気が出ないシクラメン 芦田敬子
 止  カラスには通用しない落とし穴 吉崎柳歩
   紙の辞書と呼ばれ不満な広辞苑 橋倉久美子
席題「分ける・分かれる」 清記互選 高点句
 6点  沖縄の民意分断する政府 川喜多正道
 5点  縦半分に分けた大根見かけない 橋倉久美子
   分け前によって変わって来る話 青砥たかこ
   どちらかと言えば美人に分けられる 青砥たかこ
 4点  分かれ道踏み跡のある方を行く 小川はつこ
 3点  平等に分けても文句出る姉妹 青砥たかこ
   当落が分かれる親の資金力 吉崎柳歩
   番台で妻と無理矢理分けられる 吉崎柳歩
   解体で赤字になった遺産分け 川喜多正道
   聞き分けのない子が秘める可能性 毎熊伊佐男
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『狩り・狩る』  応募106句
  18点  おばちゃんが狩人になる特売日 圦山 繁
  15点   人材を育てて他社に刈り取られ 松長一歩
     猛獣は余分な狩りをしていない 吉崎柳歩
   9点   愛されて狩りを忘れた猫である よしひさ
     チラシ見る妻は猟師の顔してる 濱山哲也
   8点   意気込んだほど食べられぬブドウ狩り 瀬田明子
     狩りの手が止まる猪親子連れ 関本かつ子
   7点  魔女狩りのことは法王語らない 日野 愿