目次01年11月号
巻頭言 「公募川柳」
すずか路
・小休止
・川柳つれづれ
・人と句「案山子を読んで4」
・例会
・例会風景
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・ポストイン
・エッセイ・その他
・大会案内など
・編集後記

 


たかこ
柳歩整理
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柳歩
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巻頭言

「公募川柳」

 たしか猛暑の始まる頃だった。三重県警本部生活安全課から一本の電話があった。

 日川協のホームページで鈴鹿川柳会の名前を知ったと言われた。三重県警で「特殊詐欺被害防止川柳コンクール」をやるようで、選考を頼みたいというものだった。
 現在日川協に加盟している柳社は県内に四つあって、一通り電話をしているらしい。その時電話の相手は、誠に遺憾ながら、謝礼はおろか、交通費も出せないとおっしゃった。一瞬「へ〜」と思ったが、面白そう…が勝って、即座に了承の意を伝えた。
 

 後日、また電話で選者は私一人だけになった、我が家までチラシを持って行きたいと言われた。あとの三つの柳社は、県警まで遠いからの理由で断りがあったらしい。お巡りさんはとにかくなにをやるのも丁寧で、路上駐車は出来ないからだろう、駐車場はあるか、とか時間の確認も怠りがない。警部と警部補がやってきて、至極丁寧に説明を聞いた。募集に際してなにかあるかと聞かれたが、募集のチラシはすでに出来ていたので「一次審査でダジャレで面白いだけの句は取らないでほしい」とだけ言った。

かくして、募集が始まった。

八月末の締切り少し前、集まりが悪いとの電話あり。ライン、メールで県内の友人知人に連絡、ほとんどの人が快く応募に応じてくれた。警察内でもたくさんの人が投句されたようで最終的に千句を超えて胸を撫で下ろした。

 一次審査で二百句くらいになったところへ、津市の警察本部に出向いて、お巡りさんに囲まれて最終選考になった。十個の賞別にすでにピックアップされていたが、好きなことを言わせていただいて終了。
 警察の中は、なんとなく物々しかったが、好奇心むき出しで観察をして帰って来た。  

終わってみれば、川柳作家は敬子さんだけだったが、ひとりでもいてくれてほっとした。敬子さんの句。

  心にも家にも鍵を掛けてます(未然防止賞)
                                          たかこ

 
すずか路より
寝てるとき一番わかる船の揺れ 瀬田明子
風に転がる祭りの後の紙コップ 西山竹里
足指でグーチョキパーをして独り 日野 愿
手助けのつもりがいつか当てにされ 岡ア美代子
一年が早く感じるもう歳か 竹原さだむ
お買い得何も買わない方が得 澁谷さくら
幸せな二人に緩むVISAカード 神野優子
瞑想中ですゆっくり水になるのです 前田須美代
ヘルメット脱ぐと白髪のバイク族 佐藤近義
スケッチの筈がコロッケオムライス 坂 茜雲
定年を机上プランが待ちわびる 大川里子
無防備に迷彩色の服を着る 岩谷佳菜子
胸に石抱くとジョークも笑えない 西垣こゆき
足萎えて母の遺産の車椅子 松岡ふみお
なつかしい唄を唄っている銀河 坂倉広美
敬老会平均年齢傘寿超え 勝田五百子
先生のいじめよっぽど暇らしい 橋倉久美子
ドラフト1位指名されたがまだ二軍 北田のりこ
バンカーにはまりメンタル試される 中川知子
帳尻が合って足取り軽くなり 河合恵美子
目覚まし時計なくても起きる彼岸花 落合文彦
ひとでなしよりはましかもろくでなし 毎熊伊佐男
亡き友と途切れた会話繋ぐ夜 村井一朗
AIに振り回されず生きて行く 奥田悦生
土産品額か味かでつい迷う 寺前みつる
ごみに出す古着にちょっとある未練 鈴木裕子
定年後の未来図違うので困る 竹口みか子
白髪増えやつれた妻の片えくぼ 瓜生晴男
猪は死んで構わぬ豚コレラ 加藤吉一
飽きないできのこづくしの箸休め 安田聡子
一度ぐらい食べてみようと秋刀魚焼く 芦田敬子
ハロウィンのいわれ知らないまま騒ぐ 圦山 繁
プラゴミをますます増やす持ちかえり 西川幸子
園遊会のお招きがまだ届かない 小川はつこ
ふる里の出口に地蔵待っている 長谷川健一
日本刀みたいにススキ風を斬る 小出順子
被災地を狙い何度も襲う雨 川喜多正道
寒くなるのでたくわえる無精髭 柴田比呂志
朗らかに今日一日を締め括る 竹内そのみ
亡くなってしまった猫宛の葉書 樋口りゑ
首すくめ嵐の通過待つばかり 眞島ともえ
デパ地下が贅沢過ぎる高齢者 小林祥司
里帰り名簿片手に買う土産 福村まこと
新妻の極意は化学調味料 佐藤千四
幸せな顔を作ってお買い物 西野恵子
極太で大きく書けば採る選者 吉崎柳歩
つまらないこと引きずって不味いお茶 青砥たかこ
 

整理・柳歩

10月26日(土)例会より

宿題「悪い」 吉崎柳歩 選と評
   人相を人相書きは悪く描く 西山竹里
   悪いのが柔和な顔だから困る 日野 愿
 止  ああ悪うございましたと拗ねている 小川はつこ
 軸  いつだって体重計にない悪意 吉崎柳歩
宿題 共選「柱」 芦田敬子 選
   一つではちょっと不安になる柱 小川はつこ
   電柱を指して道案内される 鈴木裕子
 止  完成をしたら柱は足せぬ家 橋倉久美子
 軸  好きなように蔓を絡めと支柱立て 芦田敬子
宿題 共選「柱」 北田のりこ 選
   殊更に柱時計の響く通夜 福村まこと
   いくつもの支柱で立っている私 澁谷さくら
 止  背中掻く時は不便なまる柱 橋倉久美子
 軸  ご遷宮古い柱を待つ末社 北田のりこ
宿題「自由吟」 橋倉久美子 選と評
   傷まない着ない捨てない服の山 中村あけみ
   風呂上がりルーティン化した湿布貼り 芦田敬子
 止  はしごして行くことはない理髪店 西山竹里
   ゲラゲラと笑って囲むのもイジメ 橋倉久美子
席題「陽気」 清記互選 高点句
 6点  警察の取り締まりにも良い天気 樋口りゑ
   お酒あげても陽気にならぬ仏様 小川はつこ
   生前葬は陽気の良い日予定する 青砥たかこ
 5点  気がつくと居眠りしてるいい陽気 橋倉久美子
   悪口を陽気に喋る昼休み 中川知子
   コスモスを陽気にさせる秋の風 吉崎柳歩
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『 一本 』  応募110句
  11点  一本の電話で老後狂いだす 岩田眞知子
  10点   一本のレールに縋るモノレール 芦田敬子
   9点   一本の補助線謎が解けました 澁谷さくら
      手の指の一本ごとにある役目 水野リン子
    8点   変化球投げぬ老舗の一本気 福村まこと
      あと一本吸って禁煙誓います 岩谷佳菜子
   7点  一本の木から林に森になる 鈴木由美子
     もう一本飲むと頭は冴えてくる 鈴木章照
     ネクタイが一本増えた初任給 佐藤千四