目次02年8月号
巻頭言 「電車」
すずか路
・小休止
・川柳つれづれ
・人と句「野良着」を読んで
・例会
・例会風景
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・ポストイン
・お便り拝受・あしあと
・大会案内など
・編集後記

 


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久美子・柳歩整理
あけみ・まこと
柳歩
たかこ

たかこ
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久美子
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巻頭言

「電車」

 久しぶりにバス、電車に乗った。手帳で確かめると、一月五日にめいばんの新年句会、十三日においせさん大会に行くのにバス、電車を利用、十九日の川柳三重の新年句会にはバスを利用していて、それ以来半年ぶりのことである。

 私が公共交通機関を利用するのは、遠くへ行くときと、お酒を飲むときである。とはいえ基本的には出不精、家飲みなので、具体的には、会場が遠い、または懇親会のある川柳大会・句会に出席するときと、職場の飲み会ということになる。ところがこのコロナ騒ぎで、電車で出かけるような大会・句会は軒並み中止か延期。仕事でも時節柄送別会は取りやめとなり、アルコール抜きでの送別ランチ会で送り出してもらった。必然的に、バスや電車に乗る機会はなくなったということになる。
 そんな中、七月例会に、都合により公共交通機関で行くことになった。コロナ禍でどんな様子になっているのかと、ちょっとした興味を持ちながら電車を待った。

 まず、行き。津新町駅を十一時台の急行。ロングシートの車両に足を踏み入れる。シートの端と端、そして真ん中に乗客が座っている。もちろん真ん中や片方の端が空いているところもあるし、空いた電車に他人同士が固まって座ったりすることはもともとないのだが、びっくりするほど規則的に、「端・中央・端」を守っているのである。しかも乗客数が、それ以上でも以下でもない、「端・中央・端」にちょうど見合った少なさなのだ。

 帰り。白子駅を十六時台。やはり急行だが、今度はクロスシートの車両である。前を向いた二人掛けシートに、これまたきれいに一人ずつ座っている。おもしろいのは、右側のシートの乗客が窓側に座っていたとすると左側のシートは通路側に、そして窓側の乗客の後ろは通路側にと、おおむね市松模様を自然と作っていることである。中には空いているシートもあり、取り合いなどしなくても座ることができた。

これが普通かどうかはわからないが、なるほど最近の電車はこうなっているのかと、妙に納得した車内風景であった。

                                           久美子

 
すずか路より
無観客よりはソーシャルディスタンス 眞島ともえ
八十路では買えぬ外車に試乗する 小林祥司
言い訳が重ねられない記憶力 藤村洋子
小池なら百合子よりかは真理子好き 小野教彦
ひさかたのお国料理に手を合わす 福村まこと
夏野菜食べにおいでと言えぬ夏 佐藤千四
警官がいると教える対向車 西野恵子
涼しさは試すしかない夏マスク 瀬田明子
こわごわと半年ぶりに乗る電車 満月庵
飛沫防止溶接工のような顔 西山竹里
玉露飲み腹の黒さを少し消す 日野 愿
炎天に負けてなるかと唐辛子 岡ア美代子
オンライン飲み会どうも気が乗らぬ 澁谷さくら
確実に崖の出てくるサスペンス 玉木りょうこ
スカーフのようにお洒落な柄マスク 神野優子
殆ど髪のない人も行く理髪店 前田須美代
夜の街若気がコロナ感染(うつ)し合う 坂 茜雲
あっ似てる鏡の亡母もうなづいた 大川里子
コロナ禍で指名手配もマスク付け 岩谷佳菜子
七億も要らないねえと買わぬ籤 西垣こゆき
ご無沙汰を詫びつつ廻る母の里 松岡ふみお
老眼鏡をくもらせ悪いニュース読む 坂倉広美
まだ生きるつもりエアコン取り替える 勝田五百子
マスクした顔では赤子あやせない 竹島 晃
雨続きトマトのごきげんが悪い 橋倉久美子
解説がちょっと不真面目北の富士 北田のりこ
心の中でシンバル乱打するわたし 中川知子
鵜呑みして失敗もあり通販誌 河合恵美子
中止する勇気と実施する不安 落合文彦
ぐうたらだけど寝食だけは忘れない 毎熊伊佐男
保菌者に遭うかロシアンルーレット いただき惠子
バス停で青春の日の風を待つ 村井一朗
想定外電話で詐欺が起きるとは 奥田悦生
夫がいてくれたらなあと釘を打つ 鈴木裕子
三浦春馬まだ観たかったあの笑顔 竹口みか子
梅雨明けを待ち侘びている燕の子 瓜生晴男
正解の出ない政治が迷わせる 加藤吉一
マネキンの着ている水着欲しくなる 芦田敬子
宴席で抜け出す間合い探る下戸 圦山 繁
徘徊も動けにゃできぬシップ貼る 西川幸子
杖になり武器にもできる長い傘 小川はつこ
青春は比較ではなく実践だ 長谷川健一
らっきょうを今年は楽に着けました 水谷ちか子
男はつらいよ女も同じです 小出順子
責任は認めるだけでいいらしい 川喜多正道
余白にも青空があり夕焼ける 柴田比呂志
心配を半分くれる人と住む 竹内そのみ
アベノマスクと肩を並べるほど不評 吉崎柳歩
関取の顔を覆っているマスク  青砥たかこ
 

整理・柳歩

7月25日(土)例会(出席者16名・欠席投句者30名)より

宿題「バランス」 青砥たかこ 選と評
   依怙贔屓しない教師で慕われる 吉崎柳歩
   ソーシャルディスタンスバランス取った桟敷席 岩谷佳菜子
 止  シンメトリーの安定に飽きてくる 北田のりこ
 軸  つきあいはバランス次第凸と凹 青砥たかこ
宿題 共選「喉」 毎熊伊佐男 選
   先生も口開けて見る喉の奥 関本かつ子
   うな重を食べる前から喉が鳴る 西垣こゆき
 止  咳ひとつ喉に溜まった鬱を吐く 橋倉久美子
 軸  極上の喉をマスクが閉じ込める 毎熊伊佐男
宿題 共選「喉」 北田のりこ 選
   ラムネ飲む喉が覚えている昭和 小川はつこ
   字余りの喉がしゃっくりばかりする 坂倉広美
 止  喉に閊えた想いと対峙する夜更け 竹口みか子
 軸  反抗期続く男(お)の子の喉仏 北田のりこ
宿題「自由吟」 吉崎柳歩 選
   非正規で始発のバスを待つベンチ 岩谷佳菜子
   トンネルに入ると窓はホッとする 小出順子
 止  墓の花どんどん進化する造花 青砥たかこ
   セシルマクビー 赤のれんなら知っている 吉崎柳歩
席題「乗る」 清記互選 高点句
 9点  息あれば乗せて貰える救急車 岩谷佳菜子
 8点  タイミング外すと乗れぬ観覧車 青砥たかこ
 6点  コロナ禍にもすぐに便乗する詐欺師 毎熊伊佐男
   行き先は乗る日に知ったミステリー 川喜多正道
 5点  昼下がりの電車睡魔も乗っている 橋倉久美子
   自転車に乗れない人も乗る車 毎熊伊佐男
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『自転車 』  応募110句
  15点  自転車をドミノ倒しで遊ぶ風 水野リン子
  13点   自転車と一緒に走らされる犬 吉崎柳歩
  10点     遅くまで自転車が待つ塾の前 北田のりこ
   先生と帰る自転車押しながら 平尾定昭
     自転車が知りつくしてる通学路 岩谷佳菜子
    9点  自転車に戻りなさいと免許証 関本かつ子
    自転車に乗れないふりもするピエロ 西山竹里
   8点  自転車に乗れば飢えない檻の熊 福村まこと
    特売と聞いてママチャリ突っ走る 圦山 繁