目次03年12月号
巻頭言 「万全を期す」
すずか路
・小休止
・川柳つれづれ
・人と句擂潰機を読んで
・例会
・例会風景
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・ポストイン
・お便り拝受・あしあと
・大会案内など
・編集後記

 


たかこ
久美子・柳歩整理
繁・惠子
柳歩
たかこ

たかこ
柳歩
久美子
加藤ゆみ子さん 
柳歩

たかこ








 
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巻頭言

「万全を期す」

NHK学園から送られて来る受講生のリポートは、ジップロック付きの袋でやってくる。数年前の水害で無残に水浸しになったのが教訓になったようだ。
 ヤマト便で送られてくる交換誌、雲行きの怪しい日は一冊ずつていねいにビニール袋に納まって来る。各戸に取り付けられている、郵便以外のものも入れられる郵便受けは千差万別、我が家はブロック塀に左官屋さんが作り付けてくれたものだが、大きな回覧板などがすでに入っていると、配達された郵便物が溢れて下に落ちてしまうことがある。
 また、印刷所に茶封筒で送った表紙絵が濡れて汚れてしまっていたと言われたことがあった。そこで、それ以来大切なものを送る時は、ビニール袋を使ったり、ファイルで挟むようにしている。

 今年の夏のことである。

急に降りだした雨に洗濯物が気になり急いで帰ったところ、レターパックが郵便受けからはみ出して雨に打たれているのに気付いた。中は、誌上大会の選を頼まれた大切な句箋だった。送り主もまさか郵便受けからはみ出して雨に濡れるなんて、思わないのが普通だ。恐る恐る開けてみたが、中味はなんとかセーフだった。しかし、もうしばらくあの状態だったと思うと今もぞっとする。

今年は、いくつかの柳社の誌上大会の選を仰せつかった。投句された句を「清記」されて機械文字で送られてきたのは、約二割。あとは、投句用紙の選者別二句連記のままレターパックで届いた。レターパックはたくさん詰めることができて、おまけに速達と同じ扱いだからとても便利な優れものではある。だが、手渡しされることはなく、パンパンに膨れていても差込口に入れば郵便受けに入れられる。投句用紙は、輪ゴムで止められてあるだけで生身のままである。作者の思いがこもった、恐らくコピーなどされてない句たち。
 選が終わって戻す時、大雨に遭ってもいいように、ビニール袋に入れた。余計なことだったかもわからないが、「大切な物」は大切に扱いたいと思ったからである。

                                                                    たかこ

 
すずか路より
月参り墓を洗って糺す今日 竹島 晃
若いネと元気もつけてくれる医者 勝田五百子
まだ若さあるか副反応の熱 橋倉久美子
鼻低いせいかマスクがすぐずれる 北田のりこ
愛犬の残像がある散歩道 中川知子
睨み合い両成敗と交わす笑み 河合恵美子
一回のチャンスを逃す不燃ゴミ 落合文彦
かけ違うボタンのままで走り出す 竹尾佳代子
乗りかかった川柳丸という巨船 毎熊伊佐男
よく来たと母の見えない目に涙 戴 けいこ
最後まで死力を尽くせ枯れ一葉 村井一朗
今週も卵が減らぬ冷蔵庫 西岡ゆかり
境内を掃くと心も白くなる 奥田悦生
爪先で歩いてシャンとさせる背中 鈴木裕子
物忘れ酷く疑う認知症 瓜生晴男
家で採る果実の甘味にも進歩 加藤吉一
スリッパも冬物にして家事をする 芦田敬子
マスクして距離を保って愛でる菊 圦山 繁
居間にいて居間の夫にメールする 小川はつこ
異常無しだけど体重戻らない 西川幸子
パークゴルフ友と楽しむ三月ぶり 水谷ちか子
稲生みかん母さんの手をこぼれ落ち 長谷川健一
ごくまれな秀句何度も目を通す 小出順子
背に湿布恋しあなたの無骨な手 藤村洋子
妻だけは解ってくれる花を買う 柴田比呂志
飾らない言葉ひとつで救われる 竹内そのみ
人生は雨のち晴れと明日を向く 小林祥司
パラ五輪に今も押されている背中 眞島ともえ
気が付けばランチ友達みなお歳 加藤峰子
敗戦を知らない国の正義感 福村まこと
金持になったつもりの小金持 佐藤千四
公園の皇帝ダリア咲いて秋 瀬田明子
改憲へ踏み出しそうな過半数 満月庵
騙された私が悪いけどクヤシ 西野恵子
ニッポンの政治がずっと変わらない 寺井一也
大量に入れてはならぬ隠し味 西山竹里
逢いたくはない人に逢う帰り道 岡ア美代子
迷いつつ余白残して出す手紙 澁谷さくら
いわくつきダイヤの美しい魔力 玉木りょうこ
襖替え部屋の整理も強いてくる 磯浜基十
にっこりと忖度してる一歳児 神野優子
キッチンの灯が寒すぎる午前二時 前田須美代
安定多数寄らば大樹に来る議員 坂 茜雲
後悔はさせぬ信じて今がある 大川里子
MRI工事現場の音がする 岩谷佳菜子
法事にもコロナ理由に欠席す 西垣こゆき
頼りないマスクに頼る新コロナ 松岡ふみお
自販機の中で揉めてるらしい順 坂倉広美
梨ほどは当たり外れのない林檎 吉崎柳歩
月だってたまにイメージチェンジする 青砥たかこ
 

整理・柳歩

11月27日(土) 出席13名 欠席投句31名より

宿題「握る」 橋倉久美子 選と評
   握られていると気づいてない尻尾 𠮷崎柳歩 
   手を握るたび恋人になってゆく 柴田比呂志
 止  握られて三日月になるお月様 小出順子
 軸  ワンコイン握って食べにいくランチ 橋倉久美子
宿題 共選「嘘」 河内秀斗 選
   嘘のない動物の目に負けている 小出順子
   放たれて無限に肉を付ける嘘 福村まこと
 嘘がないだけで豊かになる暮らし 小野教彦
 軸  産まれてから嘘をつき続ける造花 河内秀斗
宿題 共選「嘘」 中川知子 選
   お見舞いへちょっぴり嘘を置いてくる 鈴木裕子
   エンマ様私の舌はすぐ生える 勝田五百子
 止  QRコードに嘘は見破れぬ 青砥たかこ
 軸  嘘の匂い私の鼻が嗅ぎ分ける 中川知子
宿題「自由吟」 青砥たかこ 選と評
   筋トレをしても丈夫になれない歯 小川はつこ
   お馴染みのポストが知らぬ間に撤去 北田のりこ
 止  寂しさは葬儀済ませたとの知らせ 松岡ふみお
   行列は苦手トイレが近いから 青砥たかこ
席題「揺れる」 高点句
 5点 法律で別に禁じてない女装 橋倉久美子
 4点 時折に笑い声あり通夜の席 草山節子
  愛煙家があちこち探す喫煙所 鈴木裕子
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『 景色 』  応募116句
  19点  景色など捜索隊は見ていない 𠮷崎柳歩 
  10点   思ってもみない景色を見るコロナ 落合文彦
   9点   全席がスマホばかりと言う車内 関本かつ子
   8点  来た道と違う景色で帰れない 加藤峰子
     ふるさとの景色は眠るダムの底 織田広花
     発電のパネルが並ぶ過疎の畑 関本かつ子
   マスクして街の景色の人になる 平尾定昭
     風景が見えると高くなる家賃 西垣こゆき
      景色など目に入らない恋の道 松岡ふみお
  7点   ひと晩で景色を変えてしまう雪 水野リン子